衆院総務委員会は17日、自治体の窓口業務を地方独立行政法人(独法)に委託できるようにする地方自治法改定案の参考人質疑を行い、日本自治体労働組合総連合の福島功副委員長は「行政サービスの水準を低下させ、業務の集約・統廃合を促進し、地方自治体の空洞化につながる」と反対を表明しました。
福島氏は、窓口業務に関わる職員は住民と会話し、他の部署とも連携しながら基本的人権を保障する最善の対応を行っていると指摘。「定型的業務と非定型業務を切り分けて外部委託すれば、一体であるべき業務が分断される。業務が非効率になり連携にも支障をきたす」と批判しました。
中央大学名誉教授の今村都南雄氏も「自治体の窓口業務は、定型的な申請事務処理でも、通例の範囲を超えて手を差し伸べるアウトリーチが重要になっている」とし、外部委託に慎重な姿勢を示しました。
日本共産党の田村貴昭議員は「委託化で自治体職員の専門性が失われないか」と質問。福島氏は「職員の専門性やノウハウは徐々に失われていく。独法への自治体の関与を強めても、専門性がなければ的確な判断ができず、実際には関与できない」と答えました。
(しんぶん赤旗 2017年5月25日)