日本共産党の田村貴昭議員は5月10日、衆院本会議で、卸売市場法改定案について、生産者や消費者の立場から適正な商品価格を形成してきた卸売市場の機能を損なうものだと批判しました。
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田村氏は、卸売市場では、売り手である卸売業者と買い手である仲卸業者によるセリが行われることで、力関係や投機的要素が介入しない公正な価格形成がされていると強調。この仕組みをなくす同法案が市場関係者らがいない規制改革推進会議で突然持ち出された経緯にふれ、「一体誰の要求なのか」とただしました。
斎藤健農水相は「提言の経緯は答えられない」とし、質問に答えませんでした。
田村氏は、卸売業者が仲卸以外と取引することを禁じた「第三者販売禁止の原則」もなくなると告発。大手スーパーの買い占めなどで「品質と需要でなく、仕入れ・販売力の高い大手との力関係で価格が決まる。買いたたきで生産者が被害を受ける」と述べました。
さらに、卸売市場整備計画に関する規定の全面削除や認可・許可制の「認定制」への格下げで、市場への公的関与が後退すると指摘。民間企業による卸売市場の開設も可能になり、「自治体の指導や検査、監督の権限を民間に丸投げして、どうして公正・公平さが保たれるのか」と批判しました。
田村氏は、同法案によって「市場とは似ても似つかぬ“物流センター”になる」と警告。「日本の食文化の多様性を支える機能の維持・発展こそ必要だ」と主張しました。(しんぶん赤旗 2018年5月11日)