衆院農林水産委員会は5月24日、卸売市場法などの改定案を自民党、公明党、維新の会の賛成多数で可決しました。日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会は反対しました。
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これに先立ち23日の同委員会で、参考人質疑を行いました。同案では、卸売業者が仲卸業者以外の第三者への販売を禁止している規制などが廃止されることから、参考人から懸念や批判の声が上がりました。(質問動画はコチラ)
第三者販売禁止をめぐり、東京中央市場労働組合の中澤誠執行委員長は、卸売市場の価格形成で仲卸が果たしている役割は非常に重要だと主張。市場では、卸売業者と仲卸業者がそれぞれの利益を追求するだけで、透明で適正な価格が形成される優れた仕組みだとして、「第三者販売が解禁されることで、この機能が損なわれると、日本の国の形が変わるのではないか。卸売市場が、今度の法改正で骨抜きになる」と危惧しました。
全国中央市場青果卸売協会の川田一光会長も、卸売市場の意義について、高く売りたい卸売業者と安く買いたい仲卸業者が対じし、価格の公平性、透明性が保たれていると述べ、「価格が恣意的に決まるシステムになれば、国民生活に重大な影響が出る」と語りました。
日本共産党の田村貴昭議員から「中央市場が認可制から認定制に変わることで、卸売業者も農水相の許可業者でなくなり、市場開設者から使用許可をもらう立場に変わる。産地からどう見られるのか」と影響を問われ、川田氏は「信頼感、信用度が落ちるのではないか」と答えました。
東京聖栄大学の藤島廣二客員教授は、市場開設者が地方自治体から民間企業になることに懸念を表明。「施設利用料が上がる可能性がある。利用料が上がれば、価格が上がり、消費者にも生産者にもデメリット」と述べました。(しんぶん赤旗 2018年5月25日)