日本共産党の田村貴昭議員は衆院農林水産委員会で3月20日、2018年産のコメの直接支払い交付金と減反(国による生産調整)の廃止問題をとりあげ、責任ある需給対策と経営支援を求めました。
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田村氏は、コメの過剰生産による米価下落に懸念が広がり、全国の地方議会から需給対策、戸別所得補償の復活などを求める意見書が相次いでいるとし、「そもそも米価は生産費を下回っている」との声を紹介。「政府備蓄米の購入金額は『農家手取りとそん色ない価格』とされているが、15年の60キロあたりの単価は平均で1万410円だ」と述べ、「15年産米の生産費は1万5390円なので、5000円の赤字。これで10アールあたり7500円の交付金が廃止されれば、経営が立ち行かない」と指摘しました。
田村氏は、交付金の廃止で農家収入が約3億円減少するとの試算(岩手県一関市)を紹介。斎藤健農水相が「全ての販売農家を対象に交付金を支払うことは問題が多い」と述べたのに対し、田村氏は「経営努力をしても米価が安すぎて赤字を埋められない。コメつぶし政策だ」と批判しました。
漁民納得の和解案を
諫早非開門前提の国を批判
日本共産党の田村貴昭議員は衆院農林水産委員会で20日、国の諫早湾(長崎県)干拓事業で設置された潮受け堤防排水門の開門を強制しないよう国が求めた請求異議訴訟で、非開門が前提の和解に固執する国の姿勢をただしました。
福岡高裁は5日、開門しない前提で「開門に代わる基金等」を和解の方向性として示しました。田村氏は、国の考える基金案が、長崎地裁の和解勧告(2016年)で1年余にわたる協議の末、決裂したものと指摘。「漁民原告が納得できる和解案を示す以外に解決はない」と強調しました。
和解勧告に対し、開門を求める「よみがえれ!有明訴訟」原告側が「受け入れられない」と回答(19日)し、確定判決に基づく開門請求権の一方的放棄を迫る和解案について、「司法制度の軽視」であり、あまりにも不公平だと批判していることを紹介しました。
斎藤健農水相は「開門によらない基金等による和解に至れるよう対応していきたい」と答弁。田村氏は「行き詰まっているのは政府の責任だ。いまの案では入り口にもつけない」と批判しました。(しんぶん赤旗 2018年3月23日)