衆院農林水産委員会は6月6日、米、麦や大豆など主要農作物について優良な種子の生産、普及を各都道府県に義務づけた主要農作物種子法(1952年成立)の廃止(4月1日)をめぐり、日本共産党など6野党・会派が共同提出(同19日)した同法復活法案を質疑しました。共産党の高橋千鶴子議員が質問し、共同提出者の田村貴昭議員が答弁しました。
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高橋氏は、種子法について「誰もが関係する極めて身近な法律であり、食料主権の根源だ」とした上で、復活法案で新設された付則第3条で「国内の民間事業者の能力も活用した優良な種子の安定的な生産及び普及に配慮」と記し、配慮の相手を国内の民間業者に限定した理由を質問しました。
田村氏は近年の種子市場の動向について「生産、流通、販売が一握りのグローバル(多国籍)種子会社に集中し、多国籍企業上位7社で(市場の)69・3%を占める」と指摘し、「海外事業者の国内参入を認めることは、グローバル種子会社をもうけさせるだけで、農作物価格の高騰、在来の多様な種資源の消失、消費者の選択の幅の縮小等の弊害を招きかねない」と述べ、法案の狙いを説明しました。
また、田村氏は宮城県鳴子(なるこ)地域の「ゆきむすび」や佐賀県の「さがびより」などの高品質な米が種子法のもとで生まれ、地域の農業を守ってきたと紹介し、「種子法に基づき各都道府県と農業試験場は、地域の条件に適合した米や麦の品種育成、奨励品種の普及に重要な役割を果たしてきた。種子法はこれからますます重要な役割を果たすと確信する」と強調しました。
種子法復活法案は、廃止前の種子法を復活させ、都道府県の種子生産に関する知見の海外流出を招きかねない「農業競争力強化支援法第8条第4号」を削除します。(しんぶん赤旗 2018年6月7日)