日本共産党の田村貴昭議員は2月27日の衆院予算委員会分科会で、防衛省が米軍訓練の移転先候補として買収交渉している馬毛島(まげしま=鹿児島県西之表市)について、「所有者の違法行為を追認し、巨額の公費を投じることなど認められない」と追及しました。
(質問動画はコチラ) (議事録はこちら)
防衛省は、米空母艦載機離着陸訓練(FCLP)の移転先候補として、馬毛島の99%を所有するタストン・エアポート社と買収交渉を進めています。
田村氏は、同社による滑走路建設など林地開発の大部分は県知事の許可がなく、「県は森林法への抵触の恐れがあるという認識だ。総務省の公害等調整委員会も、『許可申請の範囲を超えて開発・伐採していると認められる』と事実認定している」と指摘。「防衛省は事実を知っているか」とただしました。
原田憲治防衛副大臣は、既に公になっている事実でありながら、「交渉中」を口実に答弁を拒否。地権者や県、総務省などに違法開発の有無を確認したかについても答えませんでした。
田村氏は、国土交通省に、違法開発があれば原状回復か土地価格の減額で対応していることを確認したうえで、「違法な開発地を確認もせずに、正常な取引価格を算定できるのか」と追及。原田副大臣は質問に答えず、「防衛省から地権者に価格を提示したことはない」などとし、答弁不能に陥りました。
田村氏は「違法開発の調査もせずに密室で交渉していることは重大だ」と批判。訓練移転による騒音被害の不安を訴える周辺住民の声を示し、交渉中止を求めました。
(しんぶん赤旗 2019年2月28日)