田村貴昭議員は3月12日の衆院環境委員会で、日本神経学会に対する環境省の意見照会が水俣病国家賠償訴訟で国の主張を追認する回答を引き出す恣意(しい)的な内容だったと批判し、政府の姿勢を追及しました。
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環境省は昨年5月、同学会に「メチル水銀中毒に係る神経学知見に関する意見照会」を文書で行い、11月、同学会が回答で示した水俣病の症状の現れ方などに関する見解を、水俣病被害者互助会が起した訴訟に反論する証拠資料として福岡高裁に提出しました。
田村氏は、環境省の照会文書が前文で「原告側から神経学の基本的な点について疑義が生じる主張が行われている」と決めつけ、同省の主張への同意を求める形で学会に意見を聞いたのは恣意的なやり方だと批判しました。
35の水俣病被害者・患者団体や個人が連名で原田義昭環境相あてに問題の照会についての公開質問を提出し、1月末日までの回答を求めましたが、同省は係争中を理由に回答も連絡も一切行っていません。患者救済に逆行する同省の対応を批判した田村氏に、原田環境相も係争中だとして答弁拒否を繰り返しました。
田村氏は、公害被害者救済に責任を負い、公平・中立性を求められる公的機関であるはずの環境省の今回の対応は看過できないと批判し、重ねて猛省を求めました。(しんぶん赤旗 2019年3月19日)