国土の荒廃をまねく 国有林野管理経営法改定案ただす 田村貴昭議員

田村衆院議員=25日 本会議 国有林野管理経営法改定案が4月25日、衆院本会議で審議入りしました。日本共産党の田村貴昭議員が問題点をただしました。
(質問動画はコチラ)
 
 同改定案は、民有林所有者から強権的に森林を奪い伐採する仕組みを持つ「森林経営管理法」(昨年成立)で大規模伐採を行う事業者に対して、国有林の伐採を長期間委託可能にするものです。
 
 田村氏は、改定案が特定の伐採業者に最長50年間の伐採権を与える一方、伐採後の植林と森林の再生は申し入れにとどめており「対象となる国有林はハゲ山になってしまう」と批判しました。吉川貴盛農水相は、法文で義務付けをしていないにもかかわらず「確実に行われる」と強弁しました。
 
 また田村氏は「法案が前提とする広範囲の皆伐(樹木をすべて伐採する)のために造成される大規模林道が土砂崩れや表土の流出を引き起こし、河川の氾濫につながり、国土の荒廃をまねくのではないか」と指摘。吉川農水相は「適切に整備する」と答弁するにとどまりました。
 
 さらに田村氏は、戦後の大規模伐採が林業の衰退と山村の過疎を招いており、植林後50年前後での皆伐を繰り返せば森林資源が枯渇すると警告。森林は、水源涵養や災害防止、生物多様性の保全などの公益的機能を有していると述べ、「持続可能な林業を目指すべきであり、国有林の仕事は自伐林家や地元に根差す小規模の事業者などに任せていくべきだ」と主張しました。(しんぶん赤旗 2019年4月27日)