日本共産党の田村貴昭議員は5月15日の衆院農林水産委員会で、植栽・再造林をおろそかにした乱伐が進んでいることに林業関係者から「伐(き)りすぎだ」との懸念の声が上がっていることを紹介し、「国有林の持つ公共性、多面的機能の保持が何よりも大事だということを片時も忘れてはならない」と主張しました。
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田村氏は、「伐りすぎ」について参考人質疑の中でも「九州はかなりひっ迫」などの声が出されたことを指摘。宮崎県で行政が「伐れ」「伐れ」と推進し、伐採を進めてきた中で横行しているのが「盗伐」だとして、警察が被害届を受理しない問題などの対応を求めました。
田村氏は、2017年に宮崎県で盗伐被害者の会が結成されて以降、被害は85世帯、盗伐・違法伐採は3万本を超える事態に至っているとして、「盗伐撲滅に違法伐採者の取り締まり等、強い取り組みを求める」と強調。農林水産省の小里泰弘副大臣は「委員の提言をしっかり受け止め、被害者の心情に思いをいたし、対策を徹底していく」と述べました。
さらに、田村氏は、伐期に達したとして主伐を進めれば、二酸化炭素の森林吸収量は下がるとして「地球温暖化対策に逆行する」と指摘。森林の多面的機能を失うような大量の木材の伐り出しはやめさせるよう主張しました。(しんぶん赤旗 2019年5月16日)