日米貿易協定をめぐる11月7日の衆院外務、農林水産、経済産業の各委員会の合同審査会で、安倍政権が国民と国会をだまして日米貿易協定を進めていることが浮き彫りになりました。日本共産党の田村貴昭議員の質問での自動車・自動車部品の関税撤廃をめぐる追及から明らかになりました。(動画はコチラ)
田村氏は、協定本文が公表されていない9月26日に外務省が示した文書には、「(米国の)自動車・自動車部品については、米国譲許表に『さらなる交渉による関税撤廃』と明記」と書いてあるのに、協定署名後の10月18日に同省が示した文書では「米国付属文書に『関税撤廃に関してさらに交渉』」と書きかえられていると指摘。品目関税引き下げのスケジュールを示す「譲許表」の語が削除されていることを告発。公表された米国の譲許表には自動車・自動車部品についての記述はありません。
田村氏は、「譲許表に関税撤廃と記載した」とウソの説明をし、「関税撤廃があたかも約束されているかのように見せかけ、国会や国民を欺こうとしていたのではないか」と批判しました。
内閣官房の渋谷和久政策調整統括官は、二つの文書は「時系列に伴う修正だ」と開き直る一方、譲許表に自動車・自動車部品の記述がないとの指摘には答えられませんでした。
日米貿易協定の経済効果分析(10月29日)では、自動車・自動車部品の関税撤廃を前提に実質GDPを4兆円(0・8%)押し上げると試算しています。
田村氏の追及に対し、あくまでも「関税撤廃だ」と強弁する茂木敏充外務相。田村氏は、撤廃が前提になっていないことは明らかになったとして「経済効果分析をやり直すべきだ」と批判し、「日米貿易協定は撤回すべきだ」と迫りました。(しんぶん赤旗 2019年11月8日)