200-衆-農林水産委員会-10号 2019年12月5日 クロマグロ投棄疑い 検証を/畜産農家への支援充実を

○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。

きょうは、近藤議員から、それから佐々木議員から質問と指摘もありましたけれども、私の方からも、政治と金をめぐる問題についてまず質問をさせていただきたいと思います。
最初に、江藤大臣にお伺いします。
江藤大臣の政治資金パーティーにおいて、宮崎県と宮崎市の職員が手伝いをしていたという問題であります。
しんぶん赤旗が東京事務所に確認をしました。これはもう報道もしているんですけれども、東京事務所はこのように答えています。事前に江藤氏の事務所から出席者数を聞かれ、人数分の招待券を送ってもらっていた、会場ではつき合いの範囲で飲食もしていた、謝礼はいただいていないということであります。
大臣は、先ほど近藤議員への答弁で、みずからパーティー券を売りに行ったことはないというふうにおっしゃっていたんですけれども、宮崎県東京事務所は、招待券が送られてきたと言われています。どれだけ送っておったんですか、いつから送っておったんですか。
そして、会場ではつき合いの範囲で飲食もしていたということになります。会費なしの飲食というのは、公選法に触れる可能性が出てまいります。公職選挙法の禁じる供応の疑いがこの話では出てくると思うんですけれども、これはいけないですよね。
大臣は、宮崎二区の選挙区だけで出ているわけじゃない。東京事務所の職員も含めて、有権者である可能性は大であります。こうしたことをお調べになったのでしょうか。公職選挙法に抵触すると私は思うんですけれども、いかがでしょうか。


○江藤国務大臣 どのような取材をされたか私は存じ上げませんが、どのような形であれ、うちの事務所は招待状というものを出すことはありません、まず。どなた様がそういうことをおっしゃったかについて私の事務所から追及はいたしませんけれども、招待状なるものを出したということは、うちの事務所としてはないというふうに思います。
県職員の方々、市職員の方々は、東京に来て、いろいろなところでネットワークをつくる、人脈をつくる、そういったことを目的に、宮崎の農産品を売るとか、いろいろな目的で来られているわけですけれども、そういう場を生かしたいという気持ちが県職員それから市の職員の方々にもあったことも事実だろうと思います。
そして、もちろん報酬は支払っておりませんし、終わった後に、大体、余ったものがあったりしたら食べることはあるかもしれません、そこまで私は存じ上げませんけれども、それが公職選挙法にのっとって違反だという認識は持っておりません。


○田村(貴)委員 大臣、これは政治の問題として、議員、政治家の問題としては非常に大事な問題だと思いますよ。
まず、公務員に対して、公務時間を割いて、そして、厳密な不偏不党の政治的中立が求められるこの職員が、やはり政治活動の手伝いをしていたという問題。
これに加えて、東京事務所は、江藤大臣の事務所から何人来るのかと言われて、招待状を送ってもらっておったと言うんですよ。これはうそを言ったことになりますよね。真偽のほどは確かめていくとして、東京事務所は招待状を送ってもらったと言っているんですよ。招待状というのは、お金を出して参加するわけじゃないんですよ。残り物を食べておったとか、そういう次元じゃないんですよ、大臣。いいですか。
そこで、会費なしの無償の飲食というのは、これはやはりだめなんですよ。供応になっていくんですよ。そうしたことが問われている問題だと思いますけれども、真偽のほどを確かめていただけないですか、事務所と後援会。いかがですか。


○江藤国務大臣 確かめるも何も、招待をしておりませんし、それは東京事務所だからしていないんじゃなくて、政治資金パーティーにおいて、招待というカテゴリーがそもそも、うちの事務所には存在いたしません。
そして、先ほどから、何人来るのかというようなことも聞かれたというふうに言っておられるのは、本当にうちの事務所の話なんですかね。
これは、後ろに私の政策担当秘書がおりますけれども、大体、うちの会は人が会場外にあふれてしまうという傾向もありますので、人数を動員しなきゃいけないような状況にはないので、事前に人数を把握する必要もありませんし、そのようなことをするとは到底思えないということであります。


○田村(貴)委員 取材に対して、東京事務所の次長さんが、しかとお答えになったということであります。しっかりと私たちも検証させていただきたいと思います。
次に、伊東副大臣。
報道では、二〇一七年の十月の総選挙の最中に、伊東副大臣が代表を務める自民党支部が、国の公共事業を請け負う地元の建設業者から寄附を受けていた。六社から計二百六十万円、そして、九月二十八日の衆議院解散から公示日までの間に九社から計百九十二万円の寄附を受けていたと。これは事実ですね。
公職選挙法では、国と契約を結ぶ当事者が国政選挙に関して献金するのを禁止しています。この支部の代表は伊東議員であります。寄附は返金したという先ほどの答弁でありましたけれども、この件に関して、政治的、道義的責任についてはいかに受けとめておられるでしょうか。


○伊東副大臣 ただいまの田村委員の御指摘でありますけれども、先ほども近藤委員にお答えいたしましたけれども、これらの寄附につきましては、いずれも私が支部長を務めております政党支部の活動に対する支援と受けとめております。
先ほどもちょっとお話ししましたけれども、長年にわたって私への御支援をいただいている企業が大半であり、中には、私の後援会の会長あるいは重要な役職を占めている会長もあるわけであります。
他の選挙の場合はその選挙日程というのが決まってくるわけでありますけれども、衆議院についてのみ、これは解散した後、決められた投票日までの選挙期間というふうに設定をされております。この間に、私どもが通常、毎年御支援をいただいている企業から、たまたま九月、十月のその期間に振り込みがあったということでありまして、私も、事務の、選対の職員も含めて、大変に忙しい時期でありましたので、その振り込み内容等について確認を若干していなかったというところはあるわけでありますけれども、いわゆるその企業が、個別の、国の請負契約を結んでいるその内容まで一々調べているかというと、それはないわけでありますので、今お話しのとおり、その企業が、毎年の日ごろの政党支部の活動支援のものだ、このように解釈をしているところであります。


○田村(貴)委員 何か副大臣からは余り反省の言葉が聞かれないで残念なんですけれども、厳密にやはり対処すべきじゃないんですか、選挙期間中の寄附については。入金があった、じゃ、これは国の公共事業を担っている事業者なのかどうなのかとちゃんとチェックして、なったんだったら現行法のもとでは返金する。これがされていないんですよ、この間。
副大臣だけじゃないですよ。名前が出てきたのは、高市総務大臣、それから法務省の宮崎政務官、そのほか自民党の議員さん、いっぱい名前が出てきている、公共事業受注業者からの寄附。
そして、この原資というのは税金ですよね。税金が寄附となって入ってくるわけですよ。そして、このことが表に出て、ばれたら返金する、このパターンですよ。いつまでやっているのか。これは改めなければいけませんよ。
私は、こうしたことが起こらないように、企業・団体献金というのは完全に禁止すべきだというふうに思いますけれども、一連のこの経過も含めてやはりちゃんと明らかにして、会見はされるべきじゃないかなということを申し上げておきたいというふうに思います。
時間がないので、次の質問に入ります。(江藤国務大臣「ちょっと委員、よろしいですか」と呼ぶ)どうぞ。


○江藤国務大臣 先ほど確認をしろという御指示をいただきましたので、次長さんと連絡をとらせていただきました。
残念ながら、我が宮崎県は、複数人数、御協力というかお手伝いをいただいたという実態があって、極めて反省をいたしておりますが、うちの事務所からの招待状のようなものは出していないということが確認できました。


○田村(貴)委員 こちらの方も検証させていただきます。
次の質問に入ります。
クロマグロの資源管理について質問します。
一昨日の十二月三日、テレビ東京の「ガイアの夜明け」という番組がありました。大臣、ごらんになったでしょうか。水産庁長官、来られていますか。ごらんになったでしょうか、なりましたね。私も本当にびっくりしたんですけれども、まき網のクロマグロ漁でこんなことが起こっています。
クロマグロをまき網でごっそりとる、そして、このマグロの重みで、網の下の方におったマグロが圧力で死んでしまう、重みの圧力で。そして、その死んでしまったマグロは海に投棄するということを、まき網の船員が写真を示して公表していました。もう一つは、まき網の船員が、マグロのトロの部分だけを切り取って、それを持ち帰る、それ以外の部位は海に捨てる。これも写真を示して、テレビの番組の中でこれが報道されたということです。
これは本当に許されていい話でしょうか。厳しい厳しい漁獲枠を強いられている沿岸漁民の方がこのことを聞いたら、どう思われるでしょうか。私も何度もこの問題を取り上げてきました。そして、このまき網の船員の方は、勇気ある告発だと思うんですけれども、一本釣りやはえ縄漁の人たちはおもしろくないだろうと。それはそうですよ、こんなことをやっていると。
水産庁は、こうした事実を掌握していますか。知っているとしながら、問題としていないのでしょうか。まず、この点について、知っているかどうかを教えてください。


○山口政府参考人 お答えいたします。
ただいま御指摘の報道番組につきましては、元乗組員からの取材ということでございまして、具体的な船名や海域、日時といった事実関係が番組でも不明でございました。したがいまして、これだけでその真相を明らかにすることは困難であると考えております。


○田村(貴)委員 真相を明らかにしていただきたいんですよ、こういう告発報道があった以上は。見て見ぬふりですか。違いますよね。
あの番組の中で、水産庁のかつお・まぐろ漁業室長の方が、そういう情報、死んだマグロの投棄というそういう情報が出てくれば未報告になると。これは未報告だったら大変ですよ。資源管理の問題として、漁獲の割当てからして、大変な問題だと思います。
だから、私はこう思うんです。第三者による、やはり監視員が船に乗らないといけない。大西洋まぐろ類保存国際委員会、ICCAT、ここでは、まき網船に独立したオブザーバー監視員を乗っけていますよね。また、同時に、あの番組では、スペインのまき網漁が出ていたんですけれども、日本とは全然違います。まき網でマグロが入って、それを生けすとしてずっと引っ張ってくる、必要なだけ漁獲するという方法は、日本と全然違います。
やはり、こんなひどいことをやっていることが事実かどうかをまず明らかにする、そしてオブザーバー、独立した監視員を乗船させる、こうしたことをやるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。


○山口政府参考人 お答えいたします。
太平洋クロマグロにつきましては、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律、いわゆるTAC法に基づきまして、漁獲量の報告を義務づけております。漁業者に対しましては、洋上で漁獲された個体が死亡していた場合には、その後どう処置したかにかかわらず、その数量を採捕したものとして報告するよう指導しておるところでございます。引き続き、適正な報告がなされるよう、しっかりと指導してまいりたいと考えております。
また、御指摘がございましたオブザーバーの乗船の問題でございます。WCPFC、中西部太平洋まぐろ類委員会においては、太平洋クロマグロ資源の水準が極めて低いということの中で数量制限を定められまして、各国がその義務づけられた数量の中で漁獲管理を行っているところでございます。
このオブザーバーにつきましては、漁獲数量を厳格に管理する手段として、WCPFCの措置に基づきまして、まき網漁船等の一部の船につきまして、オブザーバーの乗船を実施しているところでございますが、対象は公海における操業に限定されているところでございます。これを拡大というようなことでございますと、そのための人員体制、費用、受入れ体制の検討が必要となることでございます。関係国との協議に基づき決定する必要があると考えております。


○田村(貴)委員 まき網漁業を指導するんじゃなくて、こうしたマグロが死んだ部分について海洋投棄していた問題について検証すべきだと言っているんですよ。検証すべきじゃないんですか。どうなんですか。


○山口政府参考人 先生からの御指摘でございますが、海洋に投棄をするといったようなことも含めまして、これ自体は漁獲であるということにつきましては、業界に対して指導を徹底しているところでございます。
また、実際に、内部通報等によりまして情報が寄せられたものについて、調査をし是正を図ったこともございます。今回の件は、まだ不明でございますが、そういった情報等提供があった場合には是正措置を講じてまいりたいと考えております。


○田村(貴)委員 もう日本全国に報道された話で、この船員の方は、今も行われているというふうに番組の中で証言しています。
水産庁は、これまで、死んだマグロが底びきで大量に揚がった、あるいは海に大量に浮いていたということを漁業者からたびたび報告を受けても、ちゃんと調べてこなかったじゃないですか。だから、こういう事態がずっと続いているんじゃないんですか。今もやっている、これからも起こるであろうと現場の乗組員が言っているんですよ。ちゃんと対処したらどうですか。厳しく指導しているって、そういうのは何ぼでも言えますよ。でも、現在がこうなっている。それは、沿岸のマグロ業者が聞いたら、本当に憤慨する話ですよ。しっかりとこの事実を、どうなっているのか、検証してください。要望しておきます。
次に、畜産農家の支援について質問します。
江藤大臣、宮崎の農家の方々から要望を伺いました。肉用牛の青年後継者からの要望であります。
やはり農家を守っていく上で大事なのは就農支援である、これはもう誰もがそう思います。農水省の支援制度は一応あるんだけれども、全国の農家から言われるのは、親からの経営承継では使えない、何とかしてくれという要望でありました。
この青年の農家の方は、みんな親元承継者であります。農家の子弟が農業次世代人材投資支援事業で支援を受けようとする場合、農水省の方は、親とは違う作目をつくってくださいとか、あるいは、規模を拡大し多角化してくださいというような条件がつくと。こういう条件は、やはり親元承継の阻みになりますよ、阻害すると思います。
こうした条件をやはりやめていく、こういう条件をつけずに新規就農支援は親元承継も同等にすべきであると、要望を聞いて私は思った次第ですけれども、いかがでしょうか。


○江藤国務大臣 この制度ができた当初から、そのような御意見は聞いております。
しかしながら、極めて大規模で農業機械もしっかり整備されている、面的にも整備をされている、そして親元は極めて優良農家で篤農家であって、そして利益も十二分に上げている、そういうところの子弟が、毎年百五十万円いただいて、それを五年間継承することが、新規でリスクを負って就農する人たちから見て果たしてどうなのかということは、やはり検証しなきゃならぬと思いますよ。
私は、親が農家だからその後農家になろうという気持ちについては、極めて尊重しなければならないというふうに思っています。しかし、そういう人たちがやるのであれば、親からのノウハウを学びながら、そして、おやじさんやおじいちゃんの農業機械やそういうものを使いながら新しいものに挑戦するということがやはり求められるのも、一つの要件としては的確だというふうに判断いたしております。


○田村(貴)委員 大規模で、面的整備も進んで、そして利益も上げていると。全部が全部そうじゃないじゃないですか。
そういうことを全国各地から指摘をされているということで、これはぜひ検討、改善をしていただきたい、このことを要望して、きょうの質問を終わります。