日本共産党の田村貴昭議員は11月27日、衆院農林水産委員会で、地元漁協・漁民の漁業権を優先する漁業法を全面改定し、大企業の参入を拡大する漁業法改悪法案について、沿岸漁業者への説明が不十分だと指摘し、漁業権を与える都道府県知事の判断の基準が定まっていないことをただしました。長谷成人水産庁長官は漁協や漁民への説明を「きりがない」と発言しました。
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田村氏は「どこの単位漁協、県漁協でも、『よく分からない』との声が多数だ。法案の説明をしてきたのか」とただしました。長谷氏は「理解が得られるように(説明に)取り組んでいきたい」と述べつつ、「説明が、ある意味きりがない」と暴言を吐きました。
田村氏は、法案に関わる漁獲規制は沿岸漁業者の死活問題で、企業への漁業権の付与は、浜の住民と生業(なりわい)、漁協の権利にかかわる重大問題だと指摘し、「きちんと説明すべきなのに、『きりがない』とはどういうことか。取り消すべきだ」と主張。長谷氏は「不適切」だったとして、発言を取り消しました。
田村氏は、「理解を得られていない法案は取り下げて、漁協や漁民の声を聞くことから始めるべきだ」と強調しました。
田村氏は、法案で地元漁業者が継続して漁業権を得るためには「漁場を適切かつ有効に活用」しているという知事の判断を条件としていることについて「具体的な基準は策定するのか」とたずね、吉川貴盛農水相は「法案成立後、国が技術的助言を定めて『適切かつ有効』の考え方を示していく」と答弁。田村氏は「一番大事な判断基準を今からつくるのか。大事な基準を示さず議論などできない」と批判しました。
野党が徹底審議を求める中、与党は28日の採決を主張。強行採決の危険性が高まっています。(しんぶん赤旗 2018年11月28日)