○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
早速質問に入らせていただきます。
建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部改正案について質問します。
国のエネルギー基本計画では、二〇二〇年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネ基準への適合を義務化するとしていますけれども、本法案では、延べ床三百平米未満の建物とマンションなどを含む住宅への義務化は見送られました。これはなぜでしょうか。それから、いつまでこれは続けるおつもりなんでしょうか。
○石田政府参考人 お答えを申し上げます。
住宅及び小規模の建築物につきましては、省エネ基準への適合率が低い水準にとどまっているため、適合義務の制度の対象とした場合に市場の混乱を引き起こすことが懸念されること、また、関連します事業者に、省エネ関連の技術についてまだ習熟をしていない者が相当程度存していることなどの課題があることから、今回の法案においては、住宅や小規模建築物につきましては適合義務制度の対象とはせずに、届出義務制度の監視体制の強化、説明義務制度の創設、住宅トップランナー制度の対象拡大などの複合的な措置を講じることによりまして省エネ性能の向上を図ることとしております。
まずは、これらの施策を的確に推進することによりまして住宅・建築物の省エネ性能の向上に取り組み、これらの施策の推進状況、また、これによる適合率の向上の状況等を踏まえて、今後の施策のより一層の拡充を図っていきたいと考えているところでございます。
○田村(貴)委員 義務化見送りに対して、住宅の省エネルギー性能向上などに努める六団体は反対の声を上げているわけであります。
例えば、気候変動は待ったなしなのに対策を後退させてどうするのか、そもそも閣議決定された基本方針ではなかったのか、住宅の温熱環境の改善は国民の健康の問題でもある、義務化した方が住人の可処分所得は増加する、景気の減速にもつながる、こうした意見が出されているわけであります。
そして、多くの事業者は二〇二〇年に義務化されると聞いて真面目に取り組んできた、かけたはしごを外してしまうのかというふうにも言われているわけであります。
こうした訴えが出ていることに対して、石井大臣、いかが受けとめておられるでしょうか。
○石井国務大臣 一般社団法人日本エネルギーパス協会ほか六団体が、二〇二〇年までに新築住宅・建築物の省エネ基準への適合義務化を求める声明を発表されていることは承知をしております。
しかしながら、住宅や小規模建築物の適合義務化につきましては、ただいま局長から答弁を申し上げたとおり、さまざまな課題がございまして、社会資本整備審議会におきましても主要な関係業界団体から慎重な声があったところであります。
このため、まずは、本法案に盛り込まれました届出義務制度の監督体制の強化、説明義務制度の創設、住宅トップランナー制度の対象拡大等の施策を的確に推進することによりまして、これらの住宅・建築物の省エネ性能の向上に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
その上で、現在、我が国におきましては、パリ協定の長期目標の実現に向けた長期戦略の検討が進められております。具体的には、今月上旬に行われました提言を踏まえまして、本年六月のG20までに政府としての長期戦略が策定される予定と承知をしております。
今後、この長期戦略や当該戦略を反映した地球温暖化対策計画等の見直しを踏まえながら、本法案に盛り込まれた施策の推進状況も丁寧にフォローアップをいたしまして、さらなる省エネ対策の充実に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
○田村(貴)委員 そのパリ協定の目標達成なんですけれども、建築分野では、二〇三〇年までに二〇一三年比でCO2を二六%削減しなければならない、IPCC一・五度目標の提起も受けて、さらなる削減量を追加していかなければならない状況にあるにもかかわらず、義務化の無期限延長をするというのは、これは納得できる話ではないと思います。アメリカやドイツ、フランス、イギリス、韓国に更におくれをとっていくことになるということを指摘せざるを得ないというふうに思います。こうしたところの見直しを求めたいと思います。
法案については以上でありますけれども、本委員会でたびたび議論となっている下関北九州道路の問題について質問をしたいと思います。
まず、四月十二日、本委員会で我が党の宮本徹議員が指摘をし、そして要求した問題についてであります。
宮本議員が要求した文書、資料について、国土交通省が調べるとしたものについて、その後どうなったでしょうか。まずは、安倍首相も名前を連ねた関門会の下関北九州道路の早期実現に向けての要望書、これは省内にありましたか。それから、応対の記録、メール、メモはありましたか。
二つ目。二〇一六年八月ごろに大臣が下関北九州道路の政策判断について省に問題提起をしたと言われる検討資料、文書等、これらについて、その後の調べた状況をお聞かせください。
○池田政府参考人 関門会につきまして、平成二十八年三月三十一日に国土交通大臣に要望に来られたことについて承知しておりますけれども、その際の面談の記録等は、調べましたが、ございませんでした。また、省内には、そのときに関門会の方から持ってこられた要望書についてもございませんでした。なお、地元の報道等で、要望書についても、内容については私の方で確認をしたところでございます。
また、二つ目でございますけれども、平成二十八年の夏ごろに、この下関北九州道路が他の五つの海峡横断プロジェクトとの違いがあるのではないかという大臣の問題提起を受けまして、道路局で整理をした資料を、本日の理事会で提出したところでございます。
○田村(貴)委員 引き続き捜していただきたい。局、部、課においても、それから、インターネット、メール等の中に入っている可能性もありますので、引き続き捜していただきたいと思います。
これはこの問題の根幹の部分ですよ。国土交通副大臣がそんたくをした、総理と副総理にそんたくをした、これは選挙の中での公言ですよ。本委員会でも答弁をされていた方がこういったことを言って辞任した。ですから、本委員会がこの問題に対して解明をしていかなければならないわけであります。
そして、関門会の資料、なかったということなんですけれども、大臣は覚えておられないんですか。要望書、省内にはなかったと言うんですけれども、きのう事務方に聞いたら、ネット上で見ましたと。だから、大臣も御存じのはずであります。
二〇一六年三月三十一日、この要請時のことを、石井大臣、思い出されたでしょうか。そのときに、何を話されて、どういうふうに対応されましたか。
○石井国務大臣 まず、先ほど委員が平成二十八年八月ごろに私が問題提起したとおっしゃいましたが、私、夏ごろというふうに答弁をしておりまして、八月とは申し上げておりませんので、その点、御理解いただきたいと思います。
また、平成二十八年三月三十一日の関門会の要望ですけれども、私、具体的な日付は覚えておりませんでしたが、平成二十八年に下関北九州道路の要望を受けたことは覚えております。
ただ、御承知のとおり、たくさんの要望を受けて、それに対して対応しておりますので、三年前の要望に対してどのように答えたかということは、具体的には覚えておりません。
○田村(貴)委員 これは、大臣、私もなかなかの要望書だなと見たわけですけれども、安倍総理を始め大臣経験者、政権与党の議員十四人が名前を連ねているわけですよね。これは大事な案件だとは思われなかったんでしょうか。記憶もない、面談記録もない、これは信じがたい話であります。
では、大臣にとって、この関門会からの下北道路早期実現に向けての要望書というのは聞くに値しない要請だったということなんでしょうか。今読んでみて、大臣、この要望書についてはどのように受けとめておられるんですか。今、どうなんですか。
○石井国務大臣 先ほど委員も御紹介いただきましたけれども、私が下関北九州道路がほかの五つの海上プロジェクトと違いがあるのではないかという問題提起を事務方にいたしましたのは平成二十八年の夏ごろでございます。
したがいまして、関門会から要望書を受けた平成二十八年の三月三十一日ですか、この当時は、恐らく下関北九州道路というのはほかの五つの海上プロジェクトと同じ仲間、同じ仲間といいますか、要するに凍結グループの中に入っている、そういう認識だったのではないかと思っておりまして、恐らく相当そっけない対応をしたのではないかと想像をいたします。
今見ますと、下関北九州道路は、ほかの五つの海上プロジェクトとは違って、別にして、ゼロベースで必要性を検討するというふうに整理をし直したわけでありますから、今同じような御要望があれば、それに基づいたお答えをしたんだろうというふうに思います。
○田村(貴)委員 そっけない対応をしたのではないかと言われますけれども、時系列から見たら、やはり、安倍総理がわざわざ名前も書いている、そして第二関門橋建設促進と言ってきている、そして大臣経験者がこれだけ名前をそろえて関門地域の人たちが要請している。むしろ、しっかりとインプットされたんじゃないんですか。なぜならば、その五カ月後には、大臣は大きな政策転換に踏み出しているわけでありますから。
そこで、お伺いしたいんですけれども、石井大臣は、関門トンネルや関門橋のバイパス機能確保など、下関北九州道路がほかの五つの海峡横断プロジェクトと違いがある、その認識が膨らんだと今おっしゃいました。二〇一六年の夏ごろということですね。そして、事務方に問題提起をしたということであります。では、その問題提起はどういう問題提起なんですか。事務方に何を指示されたんですか。
○石井国務大臣 それは、今委員から御紹介いただいたとおり、この下関北九州道路はほかの五つの海上プロジェクトとは違いがあるのではないかという問題提起をしたということです。
○田村(貴)委員 それだけなんですか。
それは、凍結をして、そしてこれを解凍して、そして今から予算化していくという大きな政策転換の話のときに、余りに具体性に乏しいと言わざるを得ません。
凍結したものを解凍して動かすのであれば、それは、政府は答弁も方針も受け継いできているわけですから、それなりの理由が要るわけであります。
二〇〇八年三月十二日、時の冬柴大臣が次のように答弁しています。効率的な道路整備のあり方を踏まえて、今後調査を行わないとしたわけであります。つまり、財政面でこうした海峡プロジェクトはできないとしたわけであります。
国土交通省は凍結道路を今年度予算化しているわけです。効率的な道路整備のあり方が、あれから十年以上たって、できるようになったんですか。財政事情が好転したんですか。それは一体どういう根拠を持ってこういう予算化に踏み切っているんですか。あのときの冬柴大臣の答弁に照らして、効率的な道路整備のあり方ができないから凍結したんだと。じゃ、今解凍するに当たっては、これに対抗する理由がないといけないんですよ。どうなんですか。
○石井国務大臣 今、委員はあたかも、予算化したということで、事業化したかのような御指摘でありましたけれども、事業化をしたわけでは決してございません。事業化をするに当たりましては、今後、直轄調査を行った上で、計画段階評価や環境アセスメント、また、都市計画決定、新規事業化、事業採択、それぞれの段階において判断がされるということでございます。
それで、御質問は何でしたっけね。(田村(貴)委員「もう一回言うと、効率的な道路整備のあり方です」と呼ぶ)ああ、効率的な。
平成二十八年に私は国会で答弁いたしまして、ゼロベースで必要性を見直すというふうな答弁を国会でいたしましたけれども、そのゼロベースという中には、PFIなどの民間活力も含めた整備手法ということも念頭にございましてゼロベースというふうに言っておりまして、今後、そういった民間活力の最大限の活用ということも検討していく予定でございます。
○田村(貴)委員 大臣、私が言ったのは、冬柴大臣が、財政上の問題、効率的な道路整備のあり方に照らして凍結すると言ったんです。ですから、これを覆すちゃんとした理由はあるんですかと聞いているんですよ。
○石井国務大臣 恐らく平成二十年当初は通常の公共事業という発想であったのではないかと思いますけれども、今申し上げたように、税金を投入するだけではなくて、民間の資金を最大限活用していく、そういう整備手法も検討していくということでございます。
○田村(貴)委員 先日、野党合同で、この下関北九州道路の現地調査を行ったところであります。
地元の方は、PFI方式、私も二年前に大臣に質問したときに、こういったことも出ているからゼロベースだというふうに言われたんだけれども、二キロですよ、海峡をまたぐ二キロの橋をPFI方式で果たして成功できるだろうか。それは、委員の方々、いろいろ疑問が出されました。そして、今度、国が直轄して予算化するわけですよね。これは国が事業主体になっていく可能性は大ですよね。だから、ここの議論というのは非常に大事なんですよ。
当時の冬柴大臣は、海峡プロジェクトは夢として検討され、路線としても挙げられた、しかしながら、現在の状況から、こういうものにこのまま着手できるような状態ではない、ここまで答弁されているわけですよね。
着手できるような財政状況が今生まれているんですかということを私は聞いているわけですよ。しかとお答えいただきたいと思います。財政状況。
○石井国務大臣 先ほどから答弁しておりますように、したがいまして、税金のみの公共事業ではなくて、民間資金を最大限活用する整備手法を検討していくということでございます。
○田村(貴)委員 じゃ、国が主体となって事業を進めるということではないんですね。
これは、では、国交省の方に伺います。どうなんですか。
○池田政府参考人 平成三十一年度に国の方で直轄の調査に着手したわけでございますけれども、この着手につきましては、現在の国道二号の慢性の渋滞、あるいは関門トンネルの通行どめの頻発化という深刻な課題に対応するために、平成二十九年度より地元の福岡県、山口県、北九州市などがルートや構造、整備手法の調査を行い、ことしの三月八日に取りまとめが行われたところでございます。
この調査結果を踏まえて、海上部のさらなる調査には高度な技術力が必要なために、国において、この海上部の構造検討やPFIの活用を含む整備手法の検討を始めるということでございます。
○田村(貴)委員 結局、当時の政府の意思、効率的な道路の整備のあり方に照らして事業を再開するに当たって調査費をつけた、この合理的な理由はないわけなんですよ。
二〇一四年二月十九日、時の太田国交大臣、リダンダンシーとかに国が合わせて主導していくということでもありません、ですから調査を行っていない、こういう答弁もありました。
リダンダンシーの検討は、二〇〇八年の凍結に至るまでさんざんやってまいりました。それでも、夢のような事業は現実的ではないということで凍結になった経過であります。
国交省の方に伺いますけれども、関門橋と関門トンネル、この二つの道路が同時に通行どめになった事例について教えてください。
○池田政府参考人 関門トンネルと関門橋の二つの道路が同時に通行どめになりますのは、関門トンネルが二日に一回の割合で通行どめになっておりますことで、その上で、関門橋に雪などが重なったときに長時間の通行どめがありまして、その両者が重なった場合に発生していることでございます。
西日本高速道路株式会社が発足しました平成十七年度以降では五回発生していまして、最大で十七分の通行どめとなっておるところでございます。
○田村(貴)委員 いつの話ですか。
○池田政府参考人 現時点で、今申し上げました平成十七年度以降五回ということで承知をしております。具体的な日付については、今手持ちのデータがございませんので、後ほど御報告させていただきます。
○田村(貴)委員 雪で十七分間、関門橋が通行どめになったと。
そこから数キロ離れたところに新しい海峡型の道路を建設するという構想の予算化なんですよ、調査の。
じゃ、今度新しく、数キロしか離れていないところの道路にも同じ大雪が降る、積雪がある、ここの道路は通ることができるようになるんですか。一キロメートルの関門橋が通行どめになった、その前の二キロの下関北九州道路は、こうした気象状況、災害時には大丈夫で通行できるということなんでしょうか。リダンダンシーのことを石井大臣は大分言われましたけれども、この点について私は疑問を持っています。いかがですか。
○池田政府参考人 幹線道路ネットワークの多重性、代替性の形成は、リダンダンシーの確保の上で、防災機能の強化の上で非常に重要なことと考えております。
例えば、昨年の七月の西日本豪雨の際に、広島から呉において、広島呉道路が盛土崩壊により約三カ月通行どめになりました。近接いたします東広島呉道路は三日間で復旧いたしまして、代替路として広島—呉間の交通を速やかに確保することができたところでございます。
このような事例からも、下関北九州道路につきましては、関門トンネルや関門橋に対する災害時の代替機能の確保といった効果は期待されるというふうに考えております。
○田村(貴)委員 局長、質問をちゃんと聞いてください。私、今詳しく言いました。数キロしか離れていないところにもし橋梁型の下関北九州道路をつくったときに、同じ気象条件があって、同じ災害があったときに、こちらの方は通ることができる、通行料金を払って道路を進行していいというふうなことが想定できるんですかと言っているんですよ。どうなんですか。
○池田政府参考人 災害等における交通の遮断はいろいろなケースが考えられますし、考えていかないといけないと思っております。
そういう意味で、下関北九州道路の構想につきましては、関門トンネルや関門橋に加えた道路となることから、仮にこういったものが実現すれば、災害時の代替機能の確保には大きな効果があると考えております。
○田村(貴)委員 結局、回答がないわけですよ。明確な根拠もないわけですよ。
私、ここに暮らしていますけれども、本当に、一つ大きな地震があったときに、熊本地震でもそうですよ、あのときはインフラが全部ストップした。新幹線もとまり、高速道路もとまり、そして一般道は大渋滞になる。災害というのは、そういうものなんですよ。ですから、災害が起こったときに、関門トンネルは通れなくなる、関門橋にも影響があるんだけれども、下北道路だけは動きますよ、そういう根拠はない、このことを指摘しておきたいと思います。
結局、二〇〇八年に政府が凍結して、それを復活させる正当な理由がないんです。あのときも実は自公政権ですよね。そして、あのときの担当大臣は公明党の大臣。そして、今も自公政権。そして、今も公明党の大臣。何が変わったのか、どこが変わったのか。一つ変わったとすれば、安倍政権になったからということであります。
関門会という自公の国会議員グループをつくりました。安倍総理を囲み懇談して、関門会の総意として第二関門橋の早期建設促進の要請を行うことにしたというのが三年前の話であります。
そして、二〇一八年十月二十五日、首相官邸において、参議院の自民党吉田幹事長に対し安倍首相は、早期建設に向けた活動をしっかり取り組むようにと言ったとも言われています。そして今月、国土交通副大臣の、安倍総理にそんたくしました、直轄事業に引き上げたという発言があったわけであります。
これは、石井大臣が二〇一六年の夏ごろに思い立って方針転換したということではないんじゃないんですか。もっと大きなところで政治的な力が働いて、そして、これはもうみんなでやっていこうという中で、とにかく建設を進めていこうという話ができているんじゃないかな、私はそういうふうに思うわけであります。
防災機能やバイパス機能というのは、当時の凍結した理由からは成り立たないんです。それ以前にはさんざん議論されてきたからであります。
ちゃんと説明をしていただきたいと思います。国費を使うわけです。百八十度、路線を変更するわけなんですよ。
初鹿議員から先に資料も配られていましたけれども、私も同じ資料を配らせていただいております。山口県のホームページであります。
三月十九日、石井大臣に対して、下関北九州道路整備促進期成同盟会などが要望書を提出したときのやりとりであります。このときに石井大臣は、「来年度、直轄で調査を行う方向で考えている。あわせて整備手法も検討していく。」というふうに返答したというふうに書かれています。
三月十九日時点というのは、政府予算案、成立していません。参議院で審議中であります。予算も成立していない中で、予算成立が前提である国直轄の調査費の箇所づけについて大臣が地元の人に回答する、これは大臣、いかがなものでしょうか。よろしかったんですか。
○石井国務大臣 お答えする前に、委員からは、平成二十八年三月の関門会の陳情の中に安倍総理の名前があることをもって、私にかなり影響を与えたんではないかと、私の内心のことまでお考えいただいて、御想像していただきましたが、これは私のことですからはっきり申し上げますと、平成二十八年の夏に、この下関北九州道路はほかの五つの海峡プロジェクトとは違うんではないかという問題提起をいたしましたが、平成二十八年三月の関門会の要望がこの私の問題提起に、きっかけになったということは全くございません。それははっきりと、私のことでありますから、はっきりと申し上げておきます。
それで、今の御質問でありますけれども、本年三月十九日の下関北九州道路整備促進期成同盟会による要望におきまして、私より、下関北九州道路の直轄調査に着手する方向で検討している旨、お伝えをいたしました。
この三月十九日というのは予算が成立する直前の段階で、この時点では、実施計画の検討段階でありまして、調査内容や調査規模を含めまして、関係機関と直轄調査を行う方向で調整をしていたということでありまして、不適切であったとは考えておりません。
○田村(貴)委員 その前に、大臣、関門会からの要請が自分には影響していないと言われた。だとするならば、あのときの応接、面談記録、それから、その文書そのものの保管状況、そして担当部署に対する保管とか指示、そうしたものが何で明らかにされないんですか。
そして、大臣がいみじくも、自分の頭の中で、五つの中で、下関北九州道路は違うと考えるに及んだ、そして職員に対して問題提起した、そのときの何で事跡とか対処の方法について資料とかが出てこないんですか。おかしいじゃないですか。そこを明らかにしないと、大臣が、前回私も質問しましたけれども、調査費を地方に対して国が補助をつけた、今度直轄にする、ここのところの理屈が成り立たないんですよ。成り立たない。だから、ちゃんと答えていただきたいというふうに思います。
国交省の方に伺います。
資料をお配りしているんですけれども、先ほどの資料の裏面です。これは国交省からきのうもらった道路事業の流れでありますけれども、今、四千万円の下関北九州道路直轄調査費というのはどの段階にあるのか、ちょっと示していただけますか。
○池田政府参考人 今お配りいただいております資料のとおり、道路調査はこの左から右に向けて流れる全体の工程の中で進んでいきます。左からの道路交通の現況の調査、それから概略ルートの検討ということで進んでいくわけですけれども……(田村(貴)委員「どこですか」と呼ぶ)この資料の左のところに道路交通調査、現況の把握というのがあると思います。こういうところをスタートといたしまして、次に計画段階評価の局面で概略ルートの比較検討が行われまして、概略検討が決定しまして、その後、環境アセスメントや都市計画のことが進んで採択に至るということでございます。
○田村(貴)委員 そういう状況にある。
じゃ、ここのフローの中で、調査をしていく、そしてこのプロセス、これは国会には諮られるんですか。
二〇〇八年、冬柴大臣は、こういう路線を格上げするようなことが起こった場合には国会にもお諮りしなければならないと答弁されていますけれども、今からの下北道路の進捗に当たって、これは国会に諮る事項になるんでしょうか。どうですか。
○池田政府参考人 海峡プロジェクトを今後調査を行わないと公表しました平成二十年三月でございますけれども、当時の国会での議論でございます。その後の公表で、整備段階に格上げをするような場合にあっても、国会の場で個別路線ごとに議論するような手続を経ることとするということでございまして、これは事業化に当たっての手続であると認識をしております。
そういうことから、下関北九州道路につきましても、今後、調査が進みまして、整備手法の検討も踏まえながら、仮に事業化する場合には、国会の場での手続についても整理をしてまいりたいと考えております。
○田村(貴)委員 たくさんの問題点そして疑問点はますます出てきました。引き続きこの問題について取り上げていきたいというふうに思います。
きょうは以上で質問を終わります。ありがとうございました。