資源エネルギー庁は、インボイス(適格請求書)制度の導入により、大手電力会社などに生まれる損失分を、一般家庭の電気料金値上げで補てんする方針であることが明らかになりました。17日の衆院財務金融委員会での日本共産党の田村貴昭議員の追及によるもの。(質問動画はコチラ)
電力会社が再生エネルギー電力を固定価格で買い取る制度(FIT)では、住宅用太陽光発電を設置する再エネ業者など売り手の大部分は消費税納税義務を持たない免税業者です。インボイスが導入されると、免税業者との取引で仕入れ税額控除ができないため、買い手である電力会社に損失が発生します。
田村氏は、同庁がこの損失分を「電気料金への上乗せ」という形で補う制度を検討していると指摘し、1年間で必要な金額について質問。同庁の井上博雄省エネ・再エネ部長は、「2023年度に必要な金額は、機械的な試算で58億円だ」と答えました。
田村氏は「多くの国民はこの制度のことを知らない。電気料金がこれだけ高騰している中で国民の理解が得られると思うのか」と迫りました。さらに、政府が国民に広く意見を公募するパブリックコメントの制度説明は、「何度読んでも理解できない」と批判。鈴木俊一財務相も「なかなか分かりにくい」と認めました。
田村氏は、インボイス導入による新たな損失分が「国民負担で補てんされるのはFIT制度の電力会社だけだ」と指摘し、導入見直しを強く訴えました。(しんぶん赤旗 2023年2月18日)