大軍拡のために「防衛力強化資金」を創設する軍拡財源法案をめぐり、立憲民主党提出の鈴木俊一財務相不信任決議案が5月18日の衆院本会議で自民、公明、維新、国民などの反対多数で否決されました。日本共産党と立憲民主党は賛成。
日本共産党の田村貴昭議員は賛成討論で、「米国言いなりに憲法9条を踏みにじる大軍拡は容認できない」と主張。政府がアメリカ言いなりに軍事費をGDP(国内総生産)2%に引き上げ、5年間で43兆円もの大軍拡を推し進めていると批判しました。(質問動画はコチラ)
田村氏は敵基地攻撃能力保有は憲法9条はおろか歴代政権が建前としてきた専守防衛さえ投げ捨てると指摘。米国の先制攻撃戦略に基づく「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」に参加し、日本が攻撃を受けていないのに米国の指揮下で他国領土を攻撃することになり、「憲法9条を踏みにじるのは明白だ」と批判しました。
また、政府は長射程ミサイルの調達に5兆円を投じ、際限なく経費が膨らむイージス・システム搭載艦を導入すると指摘。「財務大臣の職務は野放図な財政支出を査定し、歯止めをかけることだ。青天井のままに将来の大増税に道を開くのは許されない」と批判しました。
田村氏は「大軍拡のために国民生活の予算を犠牲にし、現在と将来の国民に新たな負担を押し付けようとしている」として、国立病院機構などの積立金や決算剰余金を軍事費に充てる計画は「断じて認められない」と強調。東日本大震災の復興財源の軍事費への転用に、「被災者を見捨てるのか」と批判の声が巻き起こっていると指摘し、「この声が聞こえない鈴木氏には、財務運営を担う資格はない」と断じました。
不信任案否決を受けて衆院財務金融委員会の理事会は同日、19日に質疑を終局し、採決することを決めました。田村氏は「軍拡財源法案は廃案にすべきで、採決には断固反対だ」と主張しました。(しんぶん赤旗 2023年5月19日)