日本共産党の田村貴昭議員が26日の衆院本会議で行った食料・農業・農村基本法改定案についての質問の要旨は次の通りです。(質問記事はコチラ)
前回の基本法改正から25年、農村は疲弊の一途をたどってきました。農業で生計が成り立たず、農家は半減し、福岡県や愛知県に匹敵する面積の農地が失われ、農村生活の基盤が失われています。
1961年の旧農業基本法以来、自民党政権は麦・飼料・大豆の国内生産を放棄し、米国の余剰農産物を受け入れ、WTO(世界貿易機関)農業協定などで次々に輸入自由化を行い、安い農作物が大量に流入した結果、65年に73%だった日本の食料自給率は38%に落ち込んでいます。自民党農政の責任は極めて重大です。
本法案では、現行法の「食料自給率の目標」を「食料安全保障の動向に関する事項」に変え、「安定的な輸入の確保」という条文を新設しています。食料自給率の向上を最大の目標から外したのは、完全に投げ出したことではありませんか。
重大なのは、国内需要の1割を超える77万トンものミニマムアクセス米を巨額の税金を投入して輸入し続けていることです。国内の米農家が低米価で苦しんでいるさなかの2022年度も674億円もの税金を投入して米国の農家を助けました。助ける方向、お金を出す方向が間違っているのではないですか。
「安全でおいしい食料を日本の大地から」。子どもたちに日本の食文化を伝えたい、おいしい国産のものを食べてほしい。これは農家だけでなく、多くの国民の願いです。そのためには、農家が農業で暮らしていける収入がなくてはなりません。しかし、22年の畑作経営の平均年収は、補助金を入れてもわずか223万円です。稲作経営の年間収入は1万円でした。酪農は年間49万円の赤字となり、急速に離農が進んでいます。この事態の抜本的な改善なくして農業と農村の再生はありえません。
欧米では当たり前になっている価格保障や所得補償を抜本的に充実し、政府の責務として基本法に明記すべきです。
規模の大小や経営形態を問わず農業に関わる多様な人々をすべて担い手として位置づけ、農村で暮らしていける所得を国が保障することが必要です。
大軍拡をやめ、農業予算を抜本的に拡充するよう求めます。
本法案と同時に提出された、食料供給困難事態対策法案は、有事の際に農家に芋などを作れと罰則付きで命令する異常なものです。農産物を大量輸入し、離農と耕作放棄地の増大を放置しておきながら戦争のための準備が必要というのですか。こんな「離農促進法案」「戦時食糧法」は撤回すべきです。(しんぶん赤旗 2024年3月27日)