長時間労働減らせない 田村貴昭氏 給特法改定案批判 衆院文科委

5月9日 文科委 日本共産党の田村貴昭議員は5月9日の衆院文部科学委員会で、教員への残業代不支給の制度を温存する教員給与特別措置法(給特法)改定案は長時間労働をなくせないとして、残業代支給制度を整え、教員定数を大幅に増やすべきだと主張しました。(動画はコチラ)
 
 田村氏は、長時間労働による教職員の病休は増加の一途で、全日本教職員組合(全教)の今年1月発表の実態調査では、全国で4739人不足の状況だと指摘。国や文科省がやるべきは教職員の基礎定数の抜本増と、業務量の削減だと強調しました。
 
 田村氏は、埼玉県の公立小学校の教員が「残業代の不支給は違法」と訴えた裁判で時間外労働が認定されたが、給特法がある限り残業代を請求できず、「労働者として当然保障される権利が給特法に阻害されている」と迫りました。
 
 阿部俊子文科相は「専門性を発揮するための自主的な時間で合理性がある」と強弁。田村氏は「改定案では、学校の管理者である校長がテストの採点や教材研究など、自主的とされる教員の勤務時間を把握し、縮減をする法的義務は生じない。これでどうやって超勤を減らすのか」と批判し、教員や教員を志す学生から「給特法は廃止し、長時間労働を是正してほしい」との声があると強調しました。
 
 田村氏は、国際労働機関(ILO)・ユネスコ教員の地位勧告適用合同専門家委員会(CEART)が2月13日、2023年9月の全教の申し立てに対し、「所定労働時間を超える労働について適切に報酬を支払う透明性のある制度を工夫する」よう勧告したと紹介。同勧告を重く受け止めるよう要求しました。
 
 田村氏は、26年度から中学校で35人学級が始まるが、3年間で段階的に実施しても先生の実数は減るとして、少人数学級推進のために先生を増やす目標と計画を立てるよう求めました。阿部文科相は、引き続き指導運営体制の充実を図っていきたいと述べました。(しんぶん赤旗 2025年5月10日)