批判続出 OTC類似薬保険外し/患者の悲鳴 共産党が代弁 継続迫る

20251124_2040242 自維政権は11月21日、市販薬と同様の効能を持つ医療用医薬品(OTC類似薬)の保険外しを盛り込んだ「総合経済対策」を閣議決定しました。同対策には、今年度中に制度設計を実現し、来年度中に実施すると明記。患者団体や医療団体からは、保険外しに反対・批判の声が噴出しています。日本共産党の田村貴昭衆院議員と白川容子参院議員は国会論戦で、保険外しは暮らしも健康も脅かすとして、保険適用継続を政府に迫りました。
 
 田村氏は19日の衆院厚生労働委員会で、OTC類似薬を保険給付から外すと患者の薬剤負担が約8~50倍にもなるとする厚労省の試算を示したほか、子ども医療費や難病医療費の助成制度で自己負担を抑えている人も助成の対象から外れ、大きな負担が生じると指摘。日本維新の会の猪瀬直樹参院議員が自公維3党協議で保険外しを狙う28の有効成分、計1543億円の薬剤リストを提出していたが、「これらを全部保険から外してしまったら、数千億円から数兆円の患者負担増になる」と追及しました。(質問動画はコチラ)
 
 患者とその家族から寄せられた「子どもの全身に塗る保湿薬はとんでもない量。保険がきかないと量を減らさざるを得ない」「かゆみで眠られずに血だらけの布団で過ごす日々には戻りたくない」「薬が高くなれば生きていくことができない」などの悲痛な声を紹介し、「継続的に薬を必要とする慢性疾患に治療をあきらめるような経済負担をもたらすことはやめるべきだ」と厳しく批判しました。
 
 白川氏は20日の参院厚労委で、現役世代の負担軽減のため、などとうたうOTC類似薬の保険外しは、一方の負担軽減のためにもう一方に負担を強いる分断政策で、「結局は国民全体に跳ね返ってくる」と指摘しました。(質問動画はコチラ)
 
 さらに、難病患者の薬代が保険外しで約27倍の年間82万円になる試算を示し、保険から外された部分は新たな家計負担になると指摘。世界保健機関(WHO)は可処分所得から食費などの生活費を除いた金額のうち医療費が40%以上占める家計を「破滅的医療支出」と定義しているとして、「まさに暮らしも命も破滅させる状況をつくり出す」と迫りました。
 
 上野賢一郎厚労相は、政府の骨太方針でも子どもや慢性疾患を抱えている人や低所得者の患者負担などに十分配慮するとしていると答弁。白川氏は「配慮する最も適切な方法は医療費抑制の見直しだ」と批判しました。(しんぶん赤旗 2025年11月24日)