衆院地方創生特別委員会は26日、企業の農地取得などを認める国家戦略特区法改定案を採決し、自民、公明、おおさか維新の賛成で可決しました。日本共産党は反対しました。
採決に先立つ質疑で田村貴昭議員は、リース(農地の賃借)方式で企業参入を導入したものの、その後すべての企業が撤退した「唐浜(からはま)らっきょう生産振興特区」(鹿児島県薩摩川内市)の事例を紹介し、どう改定案の問題点をただしました。
同事業は、構造改革特区の先駆け事業として2004年から開始。スタート時は7社が参入したものの倒産などで撤退が相次ぎ、現在参入企業はゼロに。農地は同市の農業公社が新たな農業者を確保し、事なきを得てきました。
田村氏は「企業が撤退して維持できない農地が出ても、リースだから農地守れたというのが実感だと同市からも聞いた。企業の農地取得はやるべきではない」と指摘しました。また、「適正な利用がない場合、企業負担での原状回復は改正案では担保されるか」と追求しました。
農水省山北幸泰審議官は「原状回復責任や費用負担は当事者間の契約書で定められる」「原状回復の担保の具体的な仕組みは法定されていない」と答えました。
(しんぶん赤旗 2016年4月30日)