日本共産党の田村貴昭議員は11日の衆院総務委員会で、昨年4月に発生した熊本地震で被災し全線の6割が不通で部分運行となっている南阿蘇鉄道への支援を政府に求めました。
田村氏は先月に行った南阿蘇鉄道からの聞き取りの内容に触れ、被害額は65億~70億円にのぼり「従来の支援策では復旧が不可能だ」と強調。東日本大震災で三陸鉄道に適用された支援策のように、災害復旧事業費の国庫補助率を従来の4分の1から2分の1にかさ上げすることで、事業者の負担をなくす支援は可能だと指摘しました。
国土交通省の潮崎俊也審議官は「被害の規模、事業者の経営状況をふまえて要件を検討していく必要がある」と答弁しました。
田村氏は、南阿蘇鉄道は阿蘇観光地の象徴で通勤・通学の貴重な足でもあると指摘。震災後に乗客が18%程度まで減少した現状に触れ、「全線復旧は被災地を大いに励ます」と支援を訴えました。
高市早苗総務相は「財政措置についてしっかり対応していきたい」と述べました。
また田村氏は、熊本地震による住宅被害で多数を占める「一部損壊世帯」への支援の実態が十分に把握されていない点を指摘し、被災者の要望を把握し早急に支援策を講じるべきだと求めました。
(しんぶん赤旗 2017年5月14日)
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(西日本新聞 2017年6月13日 ※西日本新聞のホームページへ移動します。)