日本共産党の田村貴昭議員は4月9日の衆院農林水産委員会で、食料・農業・農村基本法改定案による環境負荷低減をめぐり、有機農業の促進や食料品の輸出入におけるCO2(二酸化炭素)削減など肝心な点が書かれていないと批判しました。(質問動画はこちら)
田村氏は、改定案には有機農業について一言も書かれておらず、「軽視しているのか。一方で農業の輸出促進については細かく書いている」と追及。農水省の杉中淳総括審議官は「基本法に基づく政策での有機農業の推進は行う」と答弁しました。
田村氏は改定案にCO2削減が明記されていないとして、農林水産物の輸出入に伴うCO2の削減は改定案にある環境負荷の低減に含まれるのかと質問。農水省の川合豊彦技術総括審議官は「国内の輸送に関しては削減対象として進めている」として、輸出入は含まれないとの見解を繰り返しました。
田村氏は日本のフードマイレージ(食料の輸送距離)は世界一長いと指摘し「輸入依存を脱却し、食料自給率を高めることは国民の強い要望であり、国際社会から求められている重大な課題だ」と主張。改定案32条にも「環境への負荷低減に資する農産物の流通および消費が行われるよう、消費者への情報提供を推進する」と書かれていると追及しました。
坂本哲志農水相は「輸入品についてしっかりやる。官民の円卓会議の温室効果ガス見える化部会で議論を行う」と答弁しました。(しんぶん赤旗 2024年4月11日)