日本共産党の田村貴昭議員は3月14日の衆院農林水産委員会で、殺処分数が過去最多となり全国で猛威を振るっている鳥インフルエンザについて、長年ハエ類による媒介を指摘してきた専門家の知見を採用し、国の防疫方針を根底から見直すべきだと迫りました。(質問動画はコチラ)
厚生労働省所管の国立感染症研究所は2004年に京都府丹波町で発生した鳥インフルエンザの調査で、ハエによるウイルス拡散の可能性を強く示唆。同調査に基づき同研究所の小林睦生名誉研究員と沢辺京子昆虫医科学部前部長が21年に「緊急提言」を発表し、ハエによる媒介を見落としてきた国の対策に根本的な見直しを求めていました。
田村氏は、鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針にこうした専門家の知見が採用されず、ハエに関しては疫学調査に「分布、侵入及び接触機会の有無」の項目があるだけだと指摘。ハエを確認した後の対策もないと迫りました。
野村哲郎農水相は「新たな知見が得られれば現場に還元する」と答弁。田村氏は「すでにたくさん知見がある」と強調し、政府がそうした知見を認めてこなかったのは「基本的に農家の責任とする現在の飼養衛生管理の方針が、根底から見直しを迫られるからではないか」と批判。対策の抜本転換を求めました。(しんぶん赤旗ネット版)