政府検討 有事 イモ作付け強制/田村貴昭氏「戦前をほうふつ」 衆院農水委

5月17日 農水委 日本共産党の田村貴昭議員は5月17日の衆院農林水産委員会で、政府が有事の際に農家にイモやコメなどの作付けを強制する法制度を検討している問題を取り上げました。(質問動画はコチラ)
 
 政府は農水省の審議会に、「現状の緊急事態食料安全保障指針では、不測時の制約措置を行う法的根拠がない」とする資料を提出。農家などへの命令を行うための法律が必要だとして、法整備を検討していることを明らかにしています。
 
 田村氏は、「花農家にコメやイモを作るよう命令したり、価格統制や配給制など、強制力を伴う新法を整備する方針だと報道(『朝日』11日付など)されている。『不測時』とは、日本に対する武力攻撃などの有事を想定しているのか」と質問。農水省の平形雄策農産局長は「リスクが多様化している」などとごまかしましたが否定しませんでした。
 
 田村氏は、「戦前の1941年、『花などの不急の作物を禁止・制限する』とした国家総動員法による『臨時農地等管理令』をほうふつとさせる」と指摘。日本の関税がゼロになったことで中国やコロンビアからの輸入に押され、花農家が次々と離農している現状を告発し、「これまでさんざん外国産と競争させておいて、いまさら花農家にイモを作れとは勝手すぎる」という農家の声を紹介しました。
 
 田村氏は「荒唐無稽な『制約措置』を考える前に、低米価にあえぐコメ農家や、作物の感染症に苦しむサツマイモ農家、続々と廃業している酪農家を支援するべきだ」と強調しました。(しんぶん赤旗 2023年5月18日)