「屋根や瓦が崩れて、修理代が100万円を超えます・・・」「コロナが収まり、やっとこれからというときに店を開けられない」と、肩を落とす被災者たち。石川県珠洲(すず)市で震災支援を求める声を聞く。ところが政府は、災害対策などの補正予算に充てる決算剰余金を軍事費に転用するというのだ。
東日本大震災復興のための特別所得税も召し上げて軍事費に。「被災者を見捨てるのか」と声が上がるのも当然だ。北九州市の小倉医療センターでは新外来棟の建て替えが中断したままで、台風が来るとあちこちで雨漏り。福岡病院では患者の風呂が壊れたまま。そんな状況にもかかわらず、国立病院機構の積立金をこれまた軍事費に転用する。新たな増税も行うという。あまりにひどいではないか。
手当たり次第に金をかき集め、5年間で43兆円の大軍拡を進める自公政権。憲法違反の集団的自衛権と敵基地攻撃で、防衛大臣は「わが国が他国から武力攻撃を受け、大規模な被害が生じる可能性がある」とさらりと言ってのけた。憲法が禁じた「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ること」を生じさせる岸田政権は、まさに戦後最悪の内閣だ。
物価高騰でくらしと営業に深刻な打撃。実質負金は12カ月連続のマイナスを記録した。「風呂もがまん。昼食はバナナー本だけ」。年金は減り、先行き不安の高齢者の気持ちかわからないのか。賃金は上げず、国民の消費税の引き下げの願いに背を向け、インボイスで増税を押しつける。これも軍拡財源にしようというのか。
国会前では、「大軍拡・大増税反対」の市民行動が連日続いている。励まし、励まされ、軍拡財源法案とのたたかいは重大な局面にさしかかっている。5回の質問に立ったが審議は尽くされていない。
審議継続! 採決反対! 憲法壊すな! ご一緒に声を上げましょう。(しんぶん赤旗 2023年5月17日)
エッセイ
赤旗「水曜随想」 軍事費倍増より卵を/衆議院議員 田村貴昭
冷蔵庫を開けたら卵がない。そうか、昨夜コンビニで買おうとして、6個200円超えの価格に二の足を踏んだのだった。店員さんに聞けば、「品種を変えて対応。それでも入荷制限がかかっている」と。
一方、養鶏農家は飼料の値上げと鳥インフルエンザの拡大で、厳しい経営を迫られている。輸入依存、不十分な飼料高騰対策、経営規模拡大の押しつけ…卵一個から農政の問題が見えてくる。この折に“卵特価”などと聞くと、採算はとれているのかと心底心配になる。
「この一年で450円くらいのコンビニのお弁当が、500円を超す水準にまで値上がりしたなと実感している」。日銀の総裁候補、植田和男氏が国会で私の質問に答えた。昨年、今の総裁が「家計の値上げ許容度も高まってきている」と発言し、国民から大きな批判を受けたことから聞いてみた。直後に「そのコンビニ弁当も高くて食べられない」との声が寄せられた。庶民の悲鳴が聞こえたなら、円安を招き、物価高に拍車を掛けている金融緩和政策を見直すべきではないか。
ものの値段で思い出したのは、自民党の麻生太郎氏が首相時代、カップラーメンは「400円くらい」と答弁したこと。食べているものも吸っている空気も庶民とは違うんだと思った。
鈴木俊一財務大臣は昨年の会見で、食料品などの相次ぐ値上げに「実際、買い物はしていない」。だからか、消費税減税やインボイス中止の国民要求を一顧だにしないのは。財務大臣なら、やはり市場やスーパーに出かけないと。商品を見比べ、値札をじっと見つめる人々の気持ちをじかにつかまねば。軍事費倍増している場合ではないでしょ。
次の質問でどう攻めていくか…。とりあえず卵を買ってこよう。値段を見て、卵を食べて、じっくり考えよう。(しんぶん赤旗 2023年3月1日)
2023新年の挨拶 「増税中止・減税の実現へ」 衆院議員 田村貴昭
「山が動いた実感があります」。#STOPインボイスを掲げ、ともに活動する声優の団体からメールが届きました。昨年、超党派議員連盟が立ち上がり、野党共闘が前進。与党議員から増税に異論が相次ぎました。
雪が降る日の宣伝は無理かと思っていたら、消費税減税署名に足を止めて応じる人が何人も。「物価が上がって大変」「年金が低すぎ」…岸田首相、この声が聞こえぬか。声を上げ世論を広げてこそ政治は変わる。今年は、大幅賃上げ、増税中止・減税実現の転機の年に。
増税・大軍拡、原発推進にかじを切った岸田政権。勝手に決めるな。総選挙で信を問え。この暴走を打ち破る論戦にいっそう力を尽くします。九州沖縄を拠点に進められる、戦争する国づくり。8県力を合わせ、平和へのたたかいを加速させましょう。
「田村さん、あの時の集いに来られた方が入党しましたよ」。年末、新年にうれしい連絡が。仲間を増やして、一連の選挙勝利へ。今年もがんばります。(しんぶん赤旗 2023年1月6日)
赤旗「水曜随想」 幾千幾万の願いと期待/衆院議員 田村貴昭
ありゃ、言い損なった。ここは反論しないと…。国会質問を終えて速記録を読み返すと、反省しきり。こういう時は恥ずかしくて動画は見られない。人に見てくださいと言っているくせに。一方、主張を政府に認めさせた時などは、心の中でよしっ!とガッツポーズ。国会にきて丸8年。質問はいまだ修業中。まだまだ精進が足らない。
臨時国会では本会議と六つの委員会で11回の質問。予算委員会の基本的質疑にも立った。「テレビが入るときは、絶対に失敗しない。負けないこと」。以前、小池晃書記局長から聞いた言葉を思いだす。プレッシャーを闘志に43分、無我夢中の論戦を終えると、予想を上回る反響で、たくさんの感想が寄せられた。(28日 予算委員会の動画はコチラ)
「地道な質疑が良い。基本給引き上げ。今のままでは全然足りない。対する当事者意識の欠落した政府答弁。冷たい」「日本共産党は好きじゃないんだが…田村貴昭氏が、インボイスが漫画家等のクリエーターに与える影響について突っ込んでくれているのはとても応援したくなる」「ビシッと言ってくれた。共産党の質問は光っている」等々。
ネット上のカクサンにも驚いた。私の質問を、字幕や関連映像を入れて動画編集してくれる方が次々に。ジャーナリストの工藤剛史さんがツイッターで紹介してくれた動画は、27万回の視聴に。
この場を借りてお礼を申します。みなさん、本当にありがとうございます。
自分もできるだけSNSで発信しよう。そしたら、選挙ドットコムの「国会議員のTwitterランキング」にランクインとの知らせ。いやはや、どうしよう。サボるわけにはいかなくなってしまった。
「病室で国会中継を見ました。『そうだ』とテレビに向かって思わず言っていました。元気が湧いてきました」との感想も。こちらこそ元気をいただきました。
一つの質問の向こうには、幾千、幾万の方々の願いと期待がある。論戦をシビアに振り返り、年明けの通常国会に向けて、パワーアップしなければ。(しんぶん赤旗 2022年12月14日)
赤旗「水曜随想」 本調子に戻して質問へ/衆院議員 田村貴昭
金曜日。朝起きたら、あれ、声がかすれ気味。午後からだんだんつらくなって、夕方には発声できなくなった。なんということだ。
土曜日。急ぎ耳鼻咽喉科へ。「炎症を起こしていますね。静養を」。先生、私は声を出すのが仕事です。なんとか早く冶りませんか。冷静な答えが返ってきた。「一番の治療は声を出さないことです」。そらそうですよね。
幸い、この日は全国地方議員・候補者会議を視聴することになっていたので、喉を一日休めることに。会議では、15人の議員・候補が発言。議会では少数でも、住民とともに行政を動かす数々のドラマ。支部とともに党員・読者、仲間を増やす地道な活動。苦労はつきもの、その先にある確信と明るい表情に胸が熱くなる。
住民の声に、いや声なき声にも応える。私も改めて肝に銘じたい。全国に日本共産党の地方議員は2500人あまり。来年の統一地方選挙で必ず勝利・躍進を。
日曜日。なんとか声が出るようになった。熊本市長選・ますだ牧子候補の応援、福岡市長選・田中しんすけ候補の激励に。こんな声ですみません。持ち時間を短縮してくれた地元の配慮に感謝。
月曜日。北九州市門司区で朝宣伝。喉はいくぶん回復。支部の参加者が演説会の案内や、「しんぶん赤旗」号外の紹介で、代わる代わるマイクを握ってくれた。ガラガラ声助ける同志愛。
先月、インボイスに反対する日比谷野外音楽堂での集会に参加した。司会は「VOICTION」(ボイスとインボイス)の声優2人。さすがプロ。声が通る、滑舌がいい。見えないところですごい努力をされているに違いない。そんなことを思い出しながら、声の大事さ、体調管理の大切さを痛感。早く本調子に戻らねば。
火曜日。この原稿を編集部に送信して、本会議質問へ。うまくいきますように。
読者のみなさん、季節の変わり目、ご自愛ください。(しんぶん赤旗 2022年11月9日)