豪雨被害が常態化 党福岡県委 抜本対策国に求める

国土交通省の職員に要望書を手渡す党議員ら=9日、衆院第2議員会館 日本共産党の福岡県委員会と筑後地区(同県久留米市、筑後市、大刀洗町)の議員らは11月9日、国会内で政府に対し7月に発生した豪雨災害にかんする要望書を提出し、生活や生業(なりわい)への支援と、抜本的な防災・減災対策を求めました。党国会議員団7月豪雨災害対策本部事務局長の田村貴昭衆院議員が同席しました。
 
 7月の豪雨災害により同県では、家屋約5000棟が被災し、被害総額は約500億円にも上りました。
 
 繰り返し浸水被害を受けている久留米市の金子睦美市議は、被害が常態化し、住民は「今年は大丈夫か」と不安を抱え、雨が降ればすぐに避難するようになっていると説明。また、国や県の河川整備の計画や現状が見えづらいとの意見も多いとし、「被災者を中心とした意見交換の場をもち、声を聞いてほしい」と要求しました。
 
 平山賢治大刀洗町議は、ダムの緊急放流があった河川で越水寸前になったことについて質問。住民から「事前放流をもっと効果的にできなかったのか」との声が多数寄せられたことを報告し、事前放流基準の見直しなどを求めました。
 
 国交省の担当者は、治水協定で決まった基準であり、「予測が基準を超えていなかったので、事前放流をしなかった。基準が問題ではない」と述べるにとどまりました。
 
 発災直後に現地を調査した田村氏は、シクラメン農家が、水害対策のために棚を高くしていたにもかかわらず冠水し、1万鉢が被害を受けたことを紹介。防災の展望が見えない中で不安を抱いており、再建にも膨大な費用がかかるとして、「予算を集中してほしい」と要望しました。
 
 内閣府と農林水産省へも要望書を渡し、復興・復旧費用や補償を徹底し、すべての被災者の救済を訴えました。(しんぶん赤旗 2023年11月10日)