酪農・畜産の危機打開を 党国会議員団が農水相要請

酪農畜産問題で農水相に要請 日本共産党国会議員団は12月8日、農林水産省を訪れ、酪農・畜産の危機的状況を打開する方策を宮下一郎農水相あてに申し入れました。田村貴昭衆院議員と紙智子参院議員(党農林・漁民局長)が、武村展英副大臣に申し入れ書を手渡しました。
 
 ロシアのウクライナ侵略を契機とした飼料・生産資材の異常な高騰や円安により、畜産経営が困難に陥り、酪農をはじめ、肉牛繁殖・肥育・養豚・養鶏でも離農や倒産が相次いでいます。
 
 申し入れ書は「これ以上離農者を生まない緊急の対策が必要」だと指摘。生産費の価格転嫁、政府による備蓄を組み合わせた効果的な価格政策に加え、一定以上の所得を保障する所得補償政策が必要だと主張しています。
 
 具体的には、配合飼料の高騰前の価格と現在の価格との差額の全額公費補てんや、加工原料乳生産者補給金などで、生産コスト上昇を直接反映する新たな政策の検討を要望。鳥インフルエンザ対策では、感染経路として指摘されるオオクロバエなどの対策の強調・周知、支援を求めています。クマを指定管理鳥獣に含める早急な検討や、クマ対策への財政的、技術的支援制度も要請しました。
 
 紙氏は「離農や倒産が相次ぎ、加速している。飼料の高騰分を公費で全額補てんする緊急対策が必要だ」と強調。田村氏は「毎月毎月、酪農家が数十件減っている。廃業やむなしという状況を食い止めてほしい」と訴えました。
 
 武村副大臣は「申し入れの趣旨を踏まえ、生産者が将来にわたって意欲を持って畜産経営に取り組めるようにする」と応じました。(しんぶん赤旗 2023年12月9日)