政府支援の拡充で農家守れ 畜産集中審議 田村貴昭・紙議員が迫る

 「赤字を防いで所得を保障すると、生産性を向上しようという意欲をそぐ」―。12月5日に衆参で開かれた畜産集中審議で、酪農経営を下支えする制度を要求した日本共産党の田村貴昭衆院議員に対する、宮下一郎農水相の答弁です。離農が相次ぐ畜産の現実を直視せず、「赤字で脅さないと農家は頑張らない」と言わんばかりの答弁です。これでは本当に畜産の灯が消えてしまいます。(日本共産党国会議員団事務局 川辺隆史)
 
飼料など高騰
 
 3日に放映されたNHKスペシャル「食の防衛線」。「生活に欠かせない肉・卵・牛乳の生産現場が今、土台から揺らいでいます」と投げかけ、飼料・資材高騰による赤字経営に悩む畜産業をどう支えるかを問う番組でした。ロシアのウクライナ侵略を契機に飼料・資材の国際価格が高騰し、飼料を輸入に頼り大規模化を進めてきた政府の政策がアダとなって、酪農をはじめ畜産経営が赤字と借金を積み重ねている実態を報じました。
 
12月5日 農水委 畜産集中審議では、この問題が焦点に。田村氏は「この2年で1万3830戸あった酪農家のうち1210戸が離農した。なぜ赤字を埋めないのか」と追及。日本共産党の紙智子参院議員は「政府の支援策では全く足りず、離農に歯止めがかかってない。1頭10万円の緊急補填(ほてん)が必要だ」と要求しました。(質問動画はコチラ)
 
 しかし、政府は「コストの上昇は製品価格に上乗せするのが経済の基本」と拒否。田村・紙両氏が「農家が赤字とならないよう下支えし、所得を保障する仕組み(最低所得補償)が必要だ」と訴えると、宮下農水相は冒頭の答弁をし、さらには下支えをすれば「需要に応じた生産ができなくなる」とまだ答弁。子牛生産から搾乳まで3年もかかる酪農家に対して、需給調整の責任を押し付けました。
 
法改悪ただす
 
 田村氏は、2017年に改悪された畜産経営安定法を改悪前に戻すことにも言及しました。
 
 畜産経営安定法は、農家らでつくる指定団体が一元的に牛乳を集荷することで、強い力を持つ乳業メーカー側との価格交渉力を強化する狙いがありました。ところが安倍政権による改悪で、指定団体を経ないで出荷(系統外出荷)できるよう規制緩和されました。
 
 田村氏は「系統外出荷が増え、指定団体の価格交渉力が落ちる。需給調整にも逆行する。この誤った政策を是正するべきだ」と主張。政府は「いまだ9割を超える農家が指定団体を信頼し、出荷している」と答弁したのに対し、田村氏は「ならばなおさら、改正は不要だったということだ」と迫りました。(しんぶん赤旗 2023年12月9日)