新基地止めよう 3万5千人 沖縄県民大会 我々は屈しない

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沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設に反対する「戦後70年 止めよう辺野古新基地建設! 沖縄県民大会」(同実行委員会主催)が5月17日、那覇市で開かれました。約3万5000人が結集し、出席した翁長雄志(おながたけし)知事は「県の有するあらゆる手法を用いて辺野古に新基地は造らせない」と力強く宣言。参加者は「辺野古新基地ノー」「われわれは屈しない」と、メッセージボードを高々と掲げ、ゆるぎない意思を示しました。

快晴の青空のもと、会場の野球場「沖縄セルラースタジアム那覇」に、県内・全国から続々と人が集まり、スタンド席から外野席までぎっしり。辺野古・大浦湾の海をイメージした大会カラーの「青」で染まりました。

20150518_1078016 翁長知事は、「沖縄の原点は普天間基地が戦後、米軍に強制接収されたこと。沖縄は自ら基地を提供したことは一度もない」と述べ、普天間基地が世界一危険だから辺野古が唯一の解決策だ、嫌なら沖縄が代替案を出せと基地を押し付ける政府を批判。「新辺野古基地の建設を阻止することが普天間基地を唯一解決する政策です」と翁長知事が訴えると、参加者は全員が立ち上がって大きな拍手と口笛を送りました。

大会実行委員会の共同代表の元白梅学徒隊の中山きく氏、名護市長の稲嶺進氏、「辺野古基金」共同代表の呉屋守将氏(金秀グループ会長)、「沖縄『建白書』を実現し未来を拓(ひら)く島ぐるみ会議」共同代表の平良朝敬氏(かりゆしグループ最高経営責任者)、連合沖縄会長の大城紀夫氏があいさつしました。

沖縄戦で陸軍の補助看護にあたった中山氏は「軍事基地は戦争につながるばかりでなく、人権侵害の最たるものというのは沖縄戦で得た教訓です」と訴えました。

稲嶺市長は「今はオールジャパン、心の共有・共鳴がじわじわとひろがり、やがて世界中に私たちの仲間が増えていきます」と力を込めました。

体調不良で参加できなかった共同代表の芥川賞作家の大城立裕氏は「沖縄の歴史始まって以来の快挙です」とメッセージを寄せました。

ジャーナリストの鳥越俊太郎氏は、「大会は新たな一歩」と強調。ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表、「辺野古・大浦湾に新基地つくらせない・二見以北住民の会」の松田藤子会長があいさつしました。元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏、沖縄国際大学の学生の古堅智美さんが訴えました。海外から映画監督のオリバー・ストーン氏がメッセージを寄せました。

大会は「新基地建設を断念させるまでたたかう」と宣言する決議を採択。実行委は24日~25日に上京し、政府に決議文を手渡します。

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大会には日本共産党の市田忠義副委員長・参院議員と、赤嶺政賢、田村貴昭、真島省三の各衆院議員、いせだ良子参院比例予定候補も参加しました。(しんぶん赤旗 2015年5月18日)

17日採択された「戦後70年 止めよう辺野古新基地建設! 沖縄県民大会」の大会決議は次のとおりです。


今年は戦後70年の節目の年である。私たち沖縄県民は悲惨な地上戦により住民の4人に1人が犠牲となった。戦後27年間は米軍占領統治下におか
れ、日本国憲法は適用されなかった。本土復帰から43年目を迎える今も、米軍基地あるがゆえの事件や事故に苦しみ続けている。私たち沖縄県民は長年にわた
り、自ら望んで持ってきたわけではない米軍基地を挟み、「容認派・反対派」と県民同士が対立し、分断され続けてきた。

こうしたなか、昨年の名護市長選挙、名護市議選挙、沖縄県知事選挙、衆議院選挙の沖縄4選挙区のすべてで、米軍普天間基地移設に伴う名護市辺野古
への新基地建設反対の圧倒的民意が示された。ところが、安倍政権は、前知事が公約をひるがえし行った公有水面埋め立て承認を盾に、民意を無視して辺野古新
基地建設を「粛々と」強行している。翁長雄志(おなが・たけし)県知事による海上作業の停止指示を無視し、反対する市民に対しては、海上保安庁や沖縄防衛
局による過剰警備によって弾圧を加えている。また、去る4月28日沖縄県民にとっての屈辱の日には、日米首脳会談において辺野古新基地建設推進を再確認し
ている。こうした日米両政府の姿勢は、「自治は神話だ」と言い放った米軍占領統治下の圧政と何も変わらない、沖縄県民の意思を侮辱し、日本の民主主義と地
方自治の根幹を破壊する暴挙である。もはや「辺野古」は沖縄だけの問題ではない。わたしたちは今、この国の民主主義の在り方を問うている。

私たち沖縄県民は自ら基地を提供したことは一度もない。普天間基地も住民が収容所に入れられている間に建設され、その後も銃剣とブルドーザーによ
る土地の強制接収によって拡張されてきた。これは占領下においても私有財産の没収を禁じたハーグ陸戦法規に明白に違反するものである。国際法に違反しつく
られた米軍普天間基地は閉鎖・撤去こそが「唯一の解決策」である。

辺野古新基地建設をめぐるこの19年間において、今まさに正念場である。今新基地建設を止めなければいつ止めるのか。私たち沖縄県民は2013年
1月に安倍総理に提出した建白書を総意として「オスプレイの配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念」を強く求めている。保革を超えて私たち県民
がつくりあげた、この沖縄の新たな海鳴りは、沖縄と日本の未来を拓(ひら)く大きな潮流へと発展しつつある。道理と正義は私たちにあり、辺野古に基地をつ
くることは不可能である。子どもたちや孫たち、これから生まれてくる次の世代のためにも、私たち沖縄県民は決して屈せず、新基地建設を断念させるまでたた
かうことを此処(ここ)に宣言する。

よって、日米両政府は県民の民意に従い、米軍普天間基地の閉鎖・撤去、辺野古新基地建設・県内移設を断念するよう強く要求する。以上、決議する。

2015年5月17日

戦後70年 止めよう辺野古新基地建設! 沖縄県民大会