「税制大綱」の自主申告運動弾圧 法案に盛り込むな 日本共産党・小池書記局長ら財務省要請

財務省側にただす(左から)小池、中山の両氏ら=26日、参院議員会館 自由な自主申告運動の弾圧に道を開く「税制改正大綱」の「税理士等でない者が税務相談を行った場合の命令制度の創設等」について、日本共産党の小池晃書記局長・参院議員と田村貴昭衆院議員は12月26日、参院議員会館で財務省に対し、法案に盛り込まないよう申し入れました。
 
 政府が創設を狙うのは、税務相談を停止させる権限を財務相に与え、実力行使も可能にするもの。停止命令を判断する質問検査権が国税庁・税務署に与えられ、財務相の命令に従わなければ罰則を科すというものです。
 
 財務省担当者は「SNSによる不特定多数の脱税相談、不正還付に対し、誠実な納税者との公平性から緊急な処分が必要」と説明。小池氏が制度要望の有無をただすと、国税庁の要望だと認めました。
 
 実力行使について財務省側は、税理士でない者が管理する顧客名簿の破棄、営業広告の停止を示しました。
 
 同席した全国商工団体連合会(全商連)の中山眞常任理事は「税金のことを学び合って申告するだけで、適用されたら会員名簿は破棄しろ、チラシは配るなということではないか」と批判。納税者同士が教え合って申告することまで税理士法は禁止していないとの岡山・倉敷民商弾圧事件の判決について財務省側は「尊重する」と答えました。
 
 小池氏は「今回の改定は申告納税制度の根幹を骨抜きにし、納税者の権利も踏みにじるものだ。税制大綱の具体化の際に法案に盛り込まないよう強く求めたい」と強調しました。(しんぶん赤旗 2022年12月27日)