チッソ子会社撤退 「白紙撤回」へ指導を 環境相に党議員団

チッソの電子部品生産事業の継続へ、国の指導を求めて小泉環境相(左から3人目)に申し 入れる(左から)伊藤、田村、市田の各氏ら=18日、環境省 日本共産党国会議員団水俣病問題対策委員会は10月18日、水俣病の加害企業チッソが電子部品事業から撤退し、工場閉鎖と労働者解雇を行うと発表したことに対し、同社の水俣病被害補償の免責にもつながるとして、白紙撤回するよう国の指導を求め、小泉進次郎環境相に申し入れました。市田忠義、伊藤岳両参院議員、田村貴昭衆院議員、高岡朱美水俣市議、野中重男元市議が参加しました。
 
水俣病加害責任全うさせよ
 
 工場閉鎖が発表されたのは、チッソの事業会社JNC傘下のサン・エレクトロニクス(熊本県水俣市)。全従業員114人を解雇するとしています。
 
 市田氏らが提出した申し入れ書は、今回の一方的な決定が、水俣病の深刻な健康被害を引き起こし、地域の環境と経済に大きな痛手を与えた責任を免れようとするもので「認めることはできない」と強調。被害者補償などを滞らせないための公的債務の貸し付けで、チッソの経営が国と県の支援を受けているのは明白な以上、国が事業継続に責任を持つのは当然だとして、3社に対し▽決定を白紙撤回する▽事業の継続ができる―よう指導することを求めています。
 
 市田氏は「単なる民間企業ではない。汚染者原因責任を果たさせるために国民の税金を投入している。事業継続に国が責任を負うのは当然ではないか」と語りました。
 
 田村氏は、チッソ前社長が「水俣病の救済は終わっている」などと暴言を発した際、当時の環境相が先導し撤回させたことを指摘。「今回も大臣のイニシアチブで加害責任を全うするよう指導してほしい」と訴えました。
 
 小泉環境相は「今後しっかりチッソの経営を見守ってまいりたい」とのべました。(しんぶん赤旗 2019年10月19日)