196-衆-環境委員会-8号 平成30年05月15日

○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
参考人の小西雅子さん、そして桃井貴子さん、きょうはどうもありがとうございます。
私の方からも質問をさせていただきたいというふうに思います。
最初に、桃井参考人の方にお尋ねをいたします。
桃井さんがお書きになられた、「生活と環境」昨年十一月号の「脱炭素社会構築を目指すパリ協定時代に日本がすべきこと」、これを拝読させていただきました。日本の温室効果ガス排出量が十三億六千四百万トン、CO2、これは二〇一四年度ですけれども、こうした中で、三三%が発電にあると、グラフの方も示されていました。巨大な排出を占める火力発電所の転換を図る、このことが効果的な削減効果であるというふうに指摘をされています。
きょうは意見陳述の中で、緩和策が真逆の方向にあると。私も本当に同感であります。三三%の発電というのは、これは火力発電がほとんど占めているというふうに理解してよろしいんでしょうか。


○桃井参考人 御質問ありがとうございます。
火力発電がほとんど占めています。そのうちの半分が石炭、半分がLNGというような割合、大体の割合だったと思います。
〔委員長退席、関(芳)委員長代理着席〕

○田村(貴)委員 引き続いてお尋ねしますけれども、日本の温室効果ガス排出は約九割がエネルギー起源CO2であるというふうな指摘もされています。このことについても御説明をいただけるでしょうか。

○桃井参考人 約九割がエネルギー起源CO2というのは、化石燃料を燃やして、それを熱や電気にして使っているという意味で、日本の排出量全体のうちの化石燃料を燃やしている部分がそれに当たるということです。それ以外は、フロンとかそういうものが占めているということになります。


○田村(貴)委員 気候ネットワークさんの方がいろいろな統計を解析して、そして今の状況を分析して、そして公表されているといったことについて、気候ネットワークの分析数値に対して日本政府は同じ認識をしているのでしょうか。食い違う点があるのでしょうか。
せっかくこうやって政府からの資料をもとに算出しているのに、どうも自分たちの主張が認められていないのではないか、あるいは政府は別の考え方をしているのではないか、そういったことがあれば、この際、お聞かせいただければというふうに思います。


○桃井参考人 御質問ありがとうございます。
分析をしているものというのが、恐らく、一番最初にいただいた御質問の、日本の総排出量の排出の割合の構造についてだと思います。
気候ネットワークでは、環境省が行っている温室効果ガスの算定報告制度を情報開示請求をしまして、それをもとに排出量を、政府が出しているのは間接排出量といって、全て電力部門はユーザー側で排出しているということにして排出量をカウントしているんですが、これを、電力会社は発電しているところから直接排出しているものとしてこちらは算定をし直して、それで分析を行っているということです。そこで、電力部門が三三%の排出があるというような形を示してきたわけです。
政府は、これまで、先ほど申し上げたように、間接排出量で情報を示していました。ところが、ことしになって、環境省の排出量の確定値、日本の温室効果ガスの排出量の確定値というのが先月出されたんですけれども、それを見ますと、そこに、これまで全くなかった直接排出量の割合というのが初めて示されていました。私たちがずっと政府に求めてきたことを今回環境省の中で示されたということで、これは非常に評価しております。
しかしながら、本来であれば、直接排出量によって、排出されている電力部門の排出をもっと分析をして、そこで、気候変動対策の重要な部分は何なのか、そして電力部門から排出を減らしていく方策は何なのかというようなところまでを分析しなければいけないと思うんですけれども、それが行われていないということ、排出量が石炭がふえることによってふえているということが示されたにもかかわらず、そこが具体的には文章の中には書かれていないというようなことが、まだまだ政府の方での発表の物足りなさだというふうに感じています。
ありがとうございます。


○田村(貴)委員 大事な御指摘ではなかったかなというふうに思います。
初めて直接排出量が出されてきた、そしてもっと深い分析を行うべきだ、そして、出された数値について、またこれを市民的に検証していくことも大事ではないかなというふうに思います。私は、そうしたことも政府の方に求めていきたいというふうに思っております。
今度出された資料を見ても、それから桃井さんのこれまでの御主張の中でも、石炭火力にかかわるところの指摘が多いわけなんですけれども、気候ネットワークの、最大の発生源対策はやはり石炭火力である、こうしたところの主張に今の政府はしっかりと応えておられるでしょうか。冒頭の意見陳述の中でも、なかなかそうではないといったところはあるんですけれども、要求についてお聞かせいただければというふうに思います。
〔関(芳)委員長代理退席、委員長着席〕


○桃井参考人 ありがとうございます。
石炭火力発電所の建設計画というのが二〇一二年以降で五十基も出てきてしまっているということは、政府の方針として石炭火力発電所を高効率のものは推進するということが、エネルギー政策の中に位置づけられてしまっているからだというふうに認識しています。
しかも、環境アセスメントという手続を踏む段階においても、環境省はこれまで、過去、容認できないといった意見書を環境大臣から出しているものが五つほどあったんですけれども、それでも、それは環境アセスメントの審議自体は経済産業省の方で行われるために、結果的には全て容認していく方向で動いており、建設が進んでいってしまっているというような状況にあります。
まさに、本来であれば、先生おっしゃるように、石炭火力発電所のところが最大の発生源対策で、一番、気候変動政策の一丁目一番地というか、やらなければいけない対策のところだと思うんですけれども、そこから逆行してしまっているような政策をとっているというのが今の日本政府だと思います。


○田村(貴)委員 よくわかりました。ありがとうございました。

それでは、WWFジャパンの小西参考人の方にお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
私は九州なんですけれども、去年、九州北部水害というのがありまして、未曽有の災害に見舞われました。そういう経験をしたところなんですけれども、小西さんは気象予報士でもあられます。異常な降雨で甚大な被害が、いろいろなところで今、日本は起こっているわけなんですけれども、日本における気候変動と異常気象、災害誘発との関係について御所見をお聞かせいただければというふうに思います。


○小西参考人 ありがとうございます。
先ほどの答弁とかぶってしまうんですけれども、やはり、日本の一つ一つの異常気象によってどれぐらいが温暖化に寄与しているかということはなかなか言いにくい、特にまだ降水の場合は。気温の方が言いやすいというところがあるそうなんです。
ただ、気象庁の言う異常気象の定義というのは、過去三十年の中で起きる異常気象の定義となっていますので、実は十年ごとに更新されていくんですね。ですから、今は異常気象なんだけれども、将来においてはそれが当たり前になって、異常気象にもうならないかもしれないです。平均的な気象になっていくかもしれないです。
実際に、もう過去十年ごとに異常気象の定義というのは変わってきていますので、やはり、温暖化が進んでいくと、そういった、今では異常気象と言われているものが、それが通常の気象の変化になってしまうような、そういったこともあり得るんだと思っております。
やはり、今の日本の中で、例えば台風ですとか、そういったものに対する、定量的にこれぐらいの影響が出てくるということは既に研究報告で出されていますので、そういったものを反映して、今回の適応法案の中でどういう適応の準備をしていかなければならないかということをこれから考えて、計画を立てて、実施していくということは、これからますます重要になるということと同時に、やはり、五年ごとにどんどん新しい知見が出てきますので、それを入れてつくり直していくというこのサイクルを日本がつくり上げて、今、適応法案は五年ごとのサイクルなんですけれども、実は緩和の方が、その同じ本当は五年サイクルで回ってこそ、緩和と適応の、同時に、緩和の政策がこれぐらいだから今適応はこれぐらいだというような形で本当はやっていくべきなところが、今緩和の方はそういったサイクルで回っていないので、ぜひ緩和策もこれをきっかけに更に入れていくといったことを検討いただきたいと思っております。


○田村(貴)委員 小西さんは、昨年のCOP23フィジー会議に出席されて、いろいろな方とお会いしたというふうに思います。
レポートも、私は楽しく拝見させていただきました。トランプ大統領がパリ協定離脱を宣言するもとでも、アメリカの非国家アクター、ウイ・アー・スティル・インですか、この力強い決意であるとか、それから、フランスのマクロン大統領がWWFと意見交換をされたなど、頼もしい限りだなというふうに思うわけであります。
国連の会議とか世界を見詰められる中で、すばらしいと感じられる指導者あるいは団体等の取組について、印象に残ったところ、これは教訓とすべきだというふうにお感じになっておられるところを、きょうは御紹介していただけるでしょうか。


○小西参考人 ありがとうございます。
国連交渉のリーダーシップに関しては、済みません、三時間ぐらい語れちゃうんですけれども、きょうは、適応法案にぜひ関係するということで、今先生がおっしゃった、ウイ・アー・スティル・インを御紹介させていただけたらなと思っております。
御存じのように、やはり、トランプ大統領のパリ協定の離脱宣言で、すごく世界は動揺しました。しかし、このウイ・アー・スティル・インに参加しているカリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事ですとか、多くの、アメリカというのは州政府の力が非常に強いところがありますので、その州政府のリーダーたち、そしてまた市長たちといった人たちが立ち上がってつくったのがウイ・アー・スティル・インで、実は、アメリカの人口の半分以上を占める人たちが、もう既にこのイニシアチブに入っております。
ですので、アメリカ連邦政府レベルでの温暖化対策が停滞したとしても、こういった州政府レベルでのイニシアチブというのは、我々はまだまだ、文字どおり、ウイ・アー・スティル・インで、パリ協定を遵守していくと宣言していますので、実は、それでいくと、一国レベルでいくと非常に大きな国レベルの動きなんですね。
こういったものが象徴するように、パリ協定というのは、実は、今までずっと、京都議定書を経た国連交渉というのは政府間のものでした、政府対政府、百九十六カ国から七カ国の政府が国際交渉をしていたんですけれども、今は、実は、こういった自治体の市長たち、あるいは企業さんのイニシアチブ、そういったイニシアチブが大きく力を持っています。
パリ協定、今世紀末に脱炭素化するという非常に、ちょっとあり得ないような、画期的な世界共通の国際協定ができたわけですけれども、その裏には、こういった企業さんの集まりですとか自治体のイニシアチブとか、もちろん、NGOの主導するものとか、そういったものがすごく力を持ってきて、それらが、より強い温暖化対策を我々は支持するということを言うことによって、政府も、このパリ協定を成立させるといったことが可能になりました。それの一つの象徴が、まさに、政府が抜けた後のアメリカのウイ・アー・スティル・イン活動なんですね。
ですので、実は、温暖化対策のリーダーというのは、これからは、そういった政府以外の自治体とかあるいは企業さんとか、そういったところからより力強く出てきているんだと思います。
そこからいっても、今回の適応法案においても、やはり、各自治体さんですとか企業さんとか、そういったところのリーダーシップをぜひ期待したいと思っております。


○田村(貴)委員 大変貴重な、COP23でのお話をいただきました。ありがとうございます。
「不都合な真実」という映画なんかを見ていますと、本当にびっくりするようなことがいっぱいあるんですけれども、やはり、最後、頑張ったら何とかなるんだ、そして、勇気と力をいただくというのが今の世界の取組じゃないかなというふうに思うわけです。
人類がしでかしたことはやはり人類が修復していくといったところで、行政も、そして企業も、政治も、全てがやはりこの方向に向き合っていかなければならないかなというふうに思います。きょうは、桃井さんと小西さんのお話を聞いていて、そんな思いを強くしたところです。
貴重な御意見をありがとうございました。終わります。