水曜随想 大企業の利潤を雇用へ

 昨年、突然発表された東芝北九州工場閉鎖計画。厚労省調査で正社員は580名、取引先は162社に上ります。地域経済に与える影響は甚大で、福岡県知事と北九州市長が、東芝社長に撤回を直談判するかつてない展開となっている。1月16日、私たち共産党も東芝に撤回を強く求めた。



 「急激な円高」を理由に、全国各地で製造業のリストラが強行されている。一方、大企業の内部留保金は年間10兆円規模で増え続け今や266兆円。デフレ不況で設備投資に金がまわらず、法人税減税の恩典もため込み金にまわってゆく。世界に冠たる大企業が倒産の憂き目にあっている話は聞いたことなく、被害者はいつも労働者と中小企業である。

 だったら、その潤沢な資金を雇用の維持にあてたらどうだ。国公労連の発表によれば、東芝は内部留保1・7兆円のわずか1%を取り崩しただけで、北九州工場の10倍の雇用増が可能なのである。そして、労働意欲と生産性の向上につながる賃上げをしたらどうなのか。そうすれば、グローバリゼーションをたたかう知恵も力もわいてこよう。

 体力のある大企業に応分の負担を―この一言が民主党政権の辞書にない。派遣法改正は骨抜きから骨なしに、国家公務員の給与は人事院勧告にもかけずに大幅削減。官も民も雇用に責任を持てない政治に未来はない。景気の回復も望めない。

 小倉の地で創業90年。配転先の石川県はあまりに遠い。「職場は沈んでおり、みんなの士気は落ち込んでいます」と、従業員から嘆きの声が寄せられた。ものづくりは喜び。悲しい気持ちからいい製品が生まれようか。

 円高不況に経産省の担当者は、「何かいい知恵がありましたら…」。ならば、教えてさしあげましょう。大企業の利潤の前に、勤労市民の幸せを置けばいいのです。

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“新・九沖”豆知識②
失業率が沖縄県に次いで高い県は?
①福岡県②長崎県③鹿児島県 詳しくはブログをご覧ください。
http://tamura.air-nifty.com/1961/2012/01/18-070f.html
(しんぶん赤旗 2012年1月18日)