水曜随想 「防災・減災を抜本的に」 衆議院議員 田村貴昭

http://img-cdn.jg.jugem.jp/82d/2942373/20180620_1681164.jpg?_ga=2.124910157.617969084.1533343336-605089301.1533343336 大阪でまさかの地震。母と妹一家の暮らす箕面市は震度6弱の揺れに襲われた。電話は通じなかったが、SNSで安否が確認できた。食器が粉々になった写真が送られてきた。見慣れた食器棚は阪神大震災も経験。2度の被災に耐えたか。
 
 学校プールの塀が崩れて小学4年生の女の子が犠牲となった。塀の倒壊は福岡西方沖でも、熊本でも何度も見てきた。「国土強靭(きょうじん)化」の掛け声の一方、通学路の安全も確保できない政治の現実。新聞の写真に手を合わせ、防災、減災を抜本的に進めなければと誓う。
 
 これだけ科学が発達しても、地震や火山爆発の予知は難しい。国土交通省の調査では、大規模建築物の約1割が、震度6強以上の地震で倒壊・崩壊する可能性が高いという。東京圏をはじめ、大都市の一極集中を本気で是正する気があるのか、政府に迫りたい。
 
 昨日、衆議院本会議で自民、公明、維新がカジノ法を通した。国民の7割が反対しているにもかかわらず。大阪府や大阪市は、震災を目の当たりにしてもカジノ誘致に血道をあげるのか。
 
 朝鮮半島の非核化と平和構築へ、世界が大きく動く中、日本は圧力一辺倒への反省もなく、2千億円もかけてイージス・アショアを導入しようとしている。逆立ちしてはいないか。もっと、暮らしに根差し、地に足をつけた政治を。
 
 通常国会は今日で会期末を迎えるが、与党は会期延長で悪法成立をはかる。許してなるものか。今国会、野党各党は、それぞれの憲法観は違っても、自衛隊を明記する自民党改憲案を審議入りさせなかった。全国統一署名と野党共闘の力だ。逆立ち政治をただす力を、もっともっと増やさなければ。(しんぶん赤旗 2018年6月20日)