線引きの不当性確認 ノーモア・ミナマタ訴訟現地調査 熊本

裁判の勝利をと団結頑張ろうを唱和する原告団、弁護団、支援者=20日、熊本県津奈木町 「ノーモア・ミナマタ第2次熊本訴訟」の来月8日の結審を前に2013年の提訴から10年のたたかいの総決算と位置付ける「第40回ミナマタ現地調査」が8月19、20の両日、熊本県の水俣、上天草、天草各市、津奈木、芦北両町の不知火(しらぬい)海(八代=やつしろ=海)上などで行われました。同実行委員会の主催。延べ400人が参加しました。
 
 20日は津奈木(つなぎ)町で、第2次熊本訴訟の結審前集会が開かれました。「水俣病不知火患者会」の岩﨑明男会長が、結審や判決が迫る熊本、大阪、新潟の3地裁で勝利し「いっきに全面解決を勝ち取ろう」とあいさつ。森正直原告団長が「裁判勝利と運動で、救済の新たな枠組みを求めよう」と締めくくりました。
 
 弁護団長の園田昭人弁護士が基調報告。熊本、大阪両地裁の裁判官、「水俣病被害者とともに歩む国会議員連絡会」が、救済を分けた地域による線引きの不当性を確認するために調査をしたと紹介しました。
 
 原告被害の訴えでは、花山章さん(71)=鹿児島県出水(いずみ)市=らが、水俣病に人生や健康を壊された無念を語り、「苦しみに寄り添って応援してほしい」などと話しました。
 
 日本共産党の田村貴昭、立憲民主党の野間健の両衆院議員、無所属の橋口住眞・鹿児島県議が連帯あいさつ。田村氏は、沿岸地域の健康調査がいまだ行われていないことや不当な線引きについて、国会質問を通じただしていることを紹介しました。
 
 19日には、56人が船上から不知火海と沿岸部の線引きの不当性を確認しました。(しんぶん赤旗 2023年8月21日)