業者と癒着断つ制度へ 損保代理店問題考える院内集会

 損害保険代理店問題を考える「第5回損保代理店院内集会」が12月8日、参院議員会館で開催されました。同実行委員会が主催。中古車販売大手ビッグモーター(東京都)の保険金不正請求などに象徴される損保業界の構造的な問題について議論しました。
 
 岐阜県損害保険代理業協会元会長の大江金男さんが「今日集まったのは、自然災害などの時には自ら被災しながらも顧客第一で奔走されている人だと思います。問題を一緒に考えましょう」とあいさつ。
 
 兵庫県立大学の松浦章客員研究員が基調報告。「規模と毎年の増収」を柱に決める手数料ポイントによって代理店の経営が苦境に立たされている問題について強調。「大手代理店には常に高い手数料が付与される構図がある」と述べました。
 
 松浦氏は、人件費削減で利益を追求したのがビッグモーター事件だと指摘。「不正排除などは二の次となり、あらゆる損害サービス部門で不正請求事案への対処力が大きく損なわれる。利益至上主義による補償機能の劣化が露呈した」と語りました。
 
 野党議員も参加。日本共産党の小池晃参院議員、田村貴昭衆院議員が参加しました。小池氏は、保険金請求を行う自動車販売・修理業者が損害保険代理店を兼ねていることについて「保険会社に利益を与える癒着構造だ。兼業を認めない制度に改正する必要がある。損保代理店は地域のセーフティーネットを支える存在。超党派で解決していきたい」と訴えました。(しんぶん赤旗 2023年12月9日)