水曜随想

水曜随想 「田村が来た」で応える


長崎市の商店街で=5月30日

 『田村はまだか』―。朝倉かすみさんのヒット小説で文庫版も書店に並んでいる。

 小説の中身は当然私とは関係ないのだが、「この題名は情勢にぴったりじゃないか」「スローガンとしてはやらせよう」などの声も寄せられている。

 小池晃政策委員長も長崎の演説会で「本屋さんでも呼びかけている(笑)。赤嶺さんに次いで田村さんも国会へ」と当意即妙の持ち上げ。よーし、九州・沖縄から、そして永田町からも、「田村はまだか」の声が大きく上がるように奮闘したい。

 演説会と言えば、宮崎で志位和夫委員長を迎えたとき、河野俊嗣知事が登壇し「アウェーなのにあたたかい」と会場を沸かした。長崎でも中村法道知事がメッセージを寄せた。二大政党制が行き詰まる中で、首長も国民と同じく模索や探求の中にあるのかと感じた。頑張りがいのある情勢だ。

 本稿は、沖縄に向かう機内で書いている。4年前の県議選で共産党が5議席に躍進。それが、「辺野古移設」やむなしの県政を「新基地ノー」の「オール沖
縄」へ流れを変えた。いま沖縄での世論調査で、日米安保条約は「破棄」と「平和友好条約に改める」が合わせて7割にのぼる。6議席へのさらなる躍進が待た
れる。

 〝基地のない沖縄はまだか〟―。県民の声を尊重する政治ならば、それは「間もなく」となろう。〝原発ゼロの日本はまだか〟〝正社員が当たり前の社会はまだか〟〝最低保障年金はまだか〟・・。たくさんの「まだか」に「田村が来た」で必ず応えるぞ。

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“新・九沖(きゅうおき)”豆知識⑥
テレビの民放局が最も少ない県は?
①大分県 ②宮崎県 ③沖縄県

答えはコチラ→

水曜随想 笑顔・希望をくらしに

 本稿執筆の4月30日は51回目の誕生日と重なった。今やお祝いの伝達はインターネットに移り、フェイスブックでは北は北海道から、南は沖縄まで「おめでとう」とともにたくさんの激励が寄せられた。演説会や集いでは「田村さんを今度こそ国会へ」「あんな人でも防衛大臣務まるのだから、あなただったらすぐやれる」(笑)など、過分な評価もいただいた。本当にありがたいことである。

 一方、おめでたくもありがたくもないのが、国民の暮らしと民主党政権である。公約違反に加え、みんなの嫌がることをやろうとする。原発再稼働に反対の世論は、賛成の2倍に及び、消費税増税に反対は6割に達している。

 連日の口上――お金はあるところにあります。日産のカルロス・ゴーン社長の年報酬は9億円、時給46万円――と紹介すると、どよめきが起こり、トヨタ社長の所得税と社会保険料の負担率は社員の半分であることを知れば、「金持ち優遇やめよ」の声が上がる。

 ――富裕層に応分の負担を。大企業に社会的責任を――には「当然だと思います」と、九州各地の商工会議所や商工会からも共感の声が上がっている。

 暮らしに笑顔と希望を取り戻そう。明けて5月1日はメーデー。「賃上げと雇用の安定こそが景気回復と社会保障の財源確保への道です」。北九州会場の参加者に力を込めて訴えた。

 「給料上がって万歳」「正社員昇格おめでとう」を一日も早く。そして「共産党の伸びたおかげ。ありがとう」と言われる日をめざして。たたかいは続く。

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新九沖豆知識⑤
JR九州の駅間隔で最も短いのは?
①小倉ー西小倉
②長崎ー浦上
③水前寺ー新水前寺
詳しくはブログ「八県百感」をご覧ください
http://tamura.air-nifty.com/1961/2012/05/post-1e26.html

(しんぶん赤旗 2012年5月2日)

水曜随想 がれき処理苦悩 元凶は国


佐賀県玄海町の集会で原発ゼロを呼びかける田村氏=3月11日

 「原発の事故以来、うちの年頃の娘が魚を食べなくなりました」。北九州のつどいでこんな声が出され、はっとさせられた。母体を重んじる本能的な自己防衛。ガイガーカウンターでは「安全」とされても、測定できない放射線もある。低濃度の放射線被爆がとりわけ子どもたちにどういう影響を与えるのか、それは未知数ゆえに「がれきは受け入れないで」との声は、痛切な叫びである。

 昨年、宮城県でがれきの山を何度もこの目で見た。想像を絶する量。それをコンクリート塊、廃材、鉄などに分別し、処分していく。気の遠くなる年月を予感させた。「時間をかけてでも現地で」という意見もあるが、津波で肉親を失った遺族に、悲しみの象徴をいつまでも放置することはできない。岩手、宮城のがれき処理はまだ数%である。

 では、広域処理問題をどうするか。処分の条件が満たせば、放射性廃棄物でないものに限って受け入れる。この立場の自治体が広がっている。

 北九州市が1キログラムあたり100ベクレル以下の基準で、がれき受け入れを検討している。同じ基準で実験焼却した静岡県島田市の焼却灰の放射性物質は64ベクレル(国基準は同8000ベクレル以下)であり、通常の作業内で推移している。

 でも、数の大小問わず「不安」の声を大切にしてほしい。処理の各段階での放射線レベルの測定と結果の公開、安全確保のルールづくりを国と自治体が定め、住民に丁寧に説明してゆくことが何より求められる。

 それにしても政府のふがいなさ。責任と方向性をこの一年示さなかった。住民の苦悩の元凶は国にある。だからこそ、がれき受け入れの是非が、原発ゼロを目指す人たちの対立であってはならない。

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“新・九沖(きゅうおき)”豆知識④

日照時間が一番長い県は?
①宮崎県 ②鹿児島県 ③沖縄県

答え→①

水曜随想 橋本氏のいじめ政治


宮崎演説会後の国政懇談会で語る田村候補=2月12日m宮崎県

 「橋下さんいいね」「何かやってくれそう」――マスコミが広告塔の役務を果たす中、九州でも「大阪維新の会」の主張を評価する声を毎日のように聞く。衆院選に打って出て200議席をとると豪語し、その方針を支持する人も多い。もはや看過できない存在になっている。

 橋下徹代表の思想に驚いた。「日本人の生活レベルは世界的には最高」で「ラグジュアリー(ぜいたく)な生活を享受しようとするなら競争しかない」(2月12日付「朝日」インタビュー)。はぁ? 年収200万円以下が1000万人を超え、自殺者が年間3万人を超える現実を知らないのか。

 「製造業の海外進出は止められない」から「円高で生まれた輸入業のもうけを、輸出業に回す」とも。自動車、家電をはじめ、グローバル(地球規模の)展開する大企業は、減税と消費税還付、雇用の非正規化で兆単位のため込み金をもっており、九州では、パナソニック、東芝などの工場撤退で6000人もの雇用減が大問題になっている。体力のある大企業をまだ甘やかすのか? 働いても努力しても報われない社会をつくった政治の責任にはふれず、権力を握った強者の論理で、ゆがんだ「うっぷん晴らし政治」を演出する。批判の矛先を、公務員や教職員労組といった自分の「部下」に、あるいは生活保護受給者などに向けさせる。なんだ、結局はいじめの政治ではないか。

 「明治以降の統治機構を変えないと、政策は実現できない」と息巻くのだったら、政治の行き詰まりの最大の障壁となっているアメリカと財界にしっかりモノを言ったらどうか。エセ改革を標榜(ひょうぽう)し、人心を惑わす勢力を私は許さない。沸々と闘志が湧いてくる。

 この勢力の台頭を許したのは政治の閉塞感である。自公政権に加え民主党政権のつくった罪はことさら重い。

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   〝新・九沖〟豆知識③
TPP参加で農産物の減少が一番大きい県は?
①宮崎県
②鹿児島県
③沖縄県
詳しくはブログをご覧下さい。
http//tamura air-nifty com/1961/

答えは②

水曜随想 大企業の利潤を雇用へ

 昨年、突然発表された東芝北九州工場閉鎖計画。厚労省調査で正社員は580名、取引先は162社に上ります。地域経済に与える影響は甚大で、福岡県知事と北九州市長が、東芝社長に撤回を直談判するかつてない展開となっている。1月16日、私たち共産党も東芝に撤回を強く求めた。



 「急激な円高」を理由に、全国各地で製造業のリストラが強行されている。一方、大企業の内部留保金は年間10兆円規模で増え続け今や266兆円。デフレ不況で設備投資に金がまわらず、法人税減税の恩典もため込み金にまわってゆく。世界に冠たる大企業が倒産の憂き目にあっている話は聞いたことなく、被害者はいつも労働者と中小企業である。

 だったら、その潤沢な資金を雇用の維持にあてたらどうだ。国公労連の発表によれば、東芝は内部留保1・7兆円のわずか1%を取り崩しただけで、北九州工場の10倍の雇用増が可能なのである。そして、労働意欲と生産性の向上につながる賃上げをしたらどうなのか。そうすれば、グローバリゼーションをたたかう知恵も力もわいてこよう。

 体力のある大企業に応分の負担を―この一言が民主党政権の辞書にない。派遣法改正は骨抜きから骨なしに、国家公務員の給与は人事院勧告にもかけずに大幅削減。官も民も雇用に責任を持てない政治に未来はない。景気の回復も望めない。

 小倉の地で創業90年。配転先の石川県はあまりに遠い。「職場は沈んでおり、みんなの士気は落ち込んでいます」と、従業員から嘆きの声が寄せられた。ものづくりは喜び。悲しい気持ちからいい製品が生まれようか。

 円高不況に経産省の担当者は、「何かいい知恵がありましたら…」。ならば、教えてさしあげましょう。大企業の利潤の前に、勤労市民の幸せを置けばいいのです。

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“新・九沖”豆知識②
失業率が沖縄県に次いで高い県は?
①福岡県②長崎県③鹿児島県 詳しくはブログをご覧ください。
http://tamura.air-nifty.com/1961/2012/01/18-070f.html
(しんぶん赤旗 2012年1月18日)