エッセイ

ドイツ ポツダム/ポツダム大学地方自治研究所 ポツダム市役所 8月23日

P1000320 23日はポツダム市へ。ポツダム大学地方自治研究所にて、ヨヘン・フラツケン教授からドイツの地方自治制度について講義を受けました。

 

16の州ごとに地方自治法があり、連邦政府に対して、独自で譲らない自治があります。

 

ドイツの大学は、そのほとんどが州ごとの公立大学。11197にのぼる市町村へ予算を配分する役割を担います。州の役割が大きいですね。

 

 失業や医療の公的保険は全国統一だが、教育は州によって違い、大学入学試験時の年齢20170824_002も変わる。市町村の財政力によって、文化に予算がつかないなどの問題も。

 合併を決めるのは市町村の意志だが、1年内に組み合わせが決まらないと、州の意志で強制となるなど、多くのことを学びました。

 

「州税は一旦国に入るのか?」「二重行政は?」・・・次から次へと質問が出され、あっと言う間の2時間。

 

ドイツの地方自治は奥が深いです。2万人が学ぶポツダム大学。すばらしい自然環境のもと、地方自治研究所では、公共で働く人も学んでいます。

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ポツダム市役所では、ベルント・ルーベント副市長から、市の現状・課題について伺いました。歴史を感じさせる重厚な建物です。

 

会場は、歴代の参謀が食事をしながら会議を行った「青の部屋」。「テーブルの上のクッキーはその名残です」。なるほど。

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ベルリンに近く、仕事や家を求めて、毎年2500~4000の人口が増えているポツダム市。課題は道路整備などのインフラ整備。兵舎が多かった地の特性を生かした街づくり、商業施設の誘致より、街の真ん中の小売りを盛り上げる施策を進めているとのこと。

 

保育所待機、保育士不足、旧東ドイツ地方の財政難などの自治体格差の問題は、日本と同じです。

 

「ドイツには生活水準の同等の法律があるもの、現状はそうなっていない。」

副市長の言葉が印象に残りました。

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私のバックはドイツ国会議事堂。ここを目指して、9月には連邦議会選挙が行われます。街中にはポスターがあちこちに。

 

勉強を重ね、戦争の歴史と民主主義を肌身で感じたドイツの2日間でした。

 

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フランス ナント市/文化行政 少子化対策 郵便業務 8月24日・25日

2017-08-24 19.17.24 おはようございます。こちらは先ほど夜が明けました。昨日、フランスのナント市に入りました。完全日没が21時で、20時でもこんなに明るいです。日本だったら、働く時間が増えてしまうかも。

 

25日の今日は、さらにハードな行程です。ナント市役所で少子化対策の取り組みを聞き、文化、情報関係者との意見交換、郵便局の視察を重ね、夜にパリに戻ります。

 

写真や記録をまとめる時間がないのがつらいところです。

 

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8月24日、フランス国土均衡庁でヒアリング。その名の通りこの役所は国土の不均衡の対策にあたっています。

 

フランス全土はU字型に発展があり、国民の95%が都市部に住み、北東から南西に向かう斜め状の地域は不均衡が生じているとのこと。

 

ズバリ質問。解決策は? 産業誘致か地場産業の発展か、移住促進か人口流出防止か。

 

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「それはミックスで行っていく。」そして、「中小の都市は交通対策の整備」「商店を維持していくのが課題」「ドイツは大型スーパーを認めない。小さなスーパーがあって、貧しい人も買うことができる。」

 

率直な回答が伺えて、たいへん勉強になりました。

 

地域へのアクセス、過疎地の買い物対策は、どこでも同じ悩みですね。

 

 

 

 

 

全仏から観光客が訪れ、市民の芸術家が育つナント市。その拠点となる場所が「リュー・ユニーク」を25日に視察しました。

 

「レストランで食事して、ミュージアムをのぞいていこうか。タダだし。そのあとはサウナに入って・・・」。副館長が人を引きつける魅力P1000601を語ってくれました。

 

出迎えてくれた展示作品は、エイリアンの作家のもの。刺激的なものにあふれています。

 

1986年に閉鎖された大きなビスケット工場を、市が2001年に再開発。市が大中小のフロアは変調自由。毎日、文化行事が行われています。

 

次に、文化振興の地方公社ヴォヤージュ・ア・ナントを訪問。ジャン・ブレーズ代表からも文化振興の取り組みを伺いました。

 

街中にグリーンラインを引き、それに沿って歩くと文化施設にたどり着く企画がヒット。観光客が倍増したとのこと。表現されるものは、クリエイティブルなものばかりです。

 

リュー・ユニークもヴォヤージュ・ア・ナントも、ナント市からの公的資金を中心に運営されています。

 

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帰国 8月27日

2017-08-25 19.43.37 ボンジュール。衆議院総務委員会の欧州地方自治制度の調査。連日、精力的に行ってきました。凱旋門、エッフェル塔・・・車の中から垣間見ただけです(苦笑)。

 

昨日は、南部のナント市で文化行政、少子化対策、郵便局の業務を勉強しました。

 

今日が最終日。土曜日なので行政対応はありません。在仏企業との懇談を行います。

 

さて、帰りの飛行機まで、歴史的建造物の一つでも見ることはできるか。

 

 

シャルル・ド・ゴール空港から11時間、ようやく東京につきました。欧州3カ国調査は無事終了です。たくさんのことを学びました。見聞きしたことは、今後の国会活動に大きく役立つことでしょう。

 

バカンス期にも関わらず、視察調査を受け入れてくれたみなさん、本当にありがとうございました。

 

フランス大使館の木寺昌人大使が行く先々で見送っていただきました。各国大使、大使館職員のみなさん、お世話になりました。

 

東京はまだ猛暑ですね。体をはやく慣らさなければ。明日から、日常の活動に戻ります。20170826_001

 

参加した議員

竹内譲(委員長・公明)、坂本哲志(自民)、左藤章(自民)、

古賀篤(自民)、小川淳也(民進)、田村貴昭(共産)、吉川元君(社民)

 

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水曜随想 「政治を前に進めたい」 衆議院議員 田村貴昭

01e5d9c96a53b1982b55f25528b45a4d6827ebbc0d 衆議院の海外派遣で欧州の地方自治の調査へ。現地では、東北、北陸地方の大雨、鹿児島での地震のニュースが次々に飛び込んできた。上空からみたエストニアの国土は、見渡す限りの森林と畑。山も川も見えない。一番高い山でも318メートルだとか。水害は想像できない。ベルリンやパリで歴史的建造物を見るたびに耐震構造は?余計なことを考えてしまうが、「地震はほとんど聞かない」とのことだった。
 
 災害大国日本。7月はじめに九州北部を襲った豪雨は、福岡県、大分県で36人の方が犠牲となり、3千件近い建物被害をもたらした。発災直後から、現地入りして状況把握にあたってきたが、いまだに道路が損壊し、足を踏み入れることのできない集落がある。農業や土木、鉄道を含めて甚大な被害を目の当たりにして、政府に必要な対策を求めてきた。
 
 昨日(28日)は、共産党福岡県委員会の政府交渉。家の解体・再建支援、農業、商工業者への支援拡大など、要求はどれも切実。「災害規模の大小によって、支援策に差があってもいいのか。東日本大震災、熊本地震と同様の対策を」。県議団と地元代表が求めた。家を失った人の苦しみはどんな災害でも同じ。ここが大きなポイントとなっていく。
 
 自治や福祉などの優れた取り組みを欧州3カ国で学んだ。同時に日本の地理と気候の特性をこれほど実感したこともなかった。着の身着のままで避難所生活を余儀なくされた被災者、猛暑の中、支援にあたるボランティア さまざまな人のことを絶えず思い浮かべて、一歩でも二歩でも政治を前に進めたい。(しんぶん赤旗 2017年8月30日)

水曜随想 質問も“生みの苦しみ” 衆議院議員 田村貴昭

質問する田村衆院議員=2月23日、予算委員会 忙しい時は重なる。集中的に押し寄せてくる。先週は委員会質問が3回、今週も3回。原稿依頼もあれば、地方選挙も目白押しだ。
 
 東京と九州、そして九州各県の移動は時間を要する。ドラえもんの「どこでもドア」があればなぁ、1日が48時間だったらなぁ、などとつまらないことを考えてしまう。
 
 しかし、時間があっても解決するものではない。法案質疑のことを半日ゆっくり考えても、全く進まないこともある。一方、飛行機の中でサッと書き上げた原稿が案外よかったりする。要するに「追い込まれ型」。この性格は子どもの頃から変わらない。
 
 今国会では、熊本地震対策に加えて、諌早干拓と有明海再生、下関北九道路や長崎新幹線の問題など、地元の課題も取り上げてきた。躍進を勝ち取って、質問時間も増えたので、一問一問、大切にしなければ。
 
 間違った政治を質(ただ)すのがわが党の本領。だから「満額回答」などない。それこそ、安倍政権打倒への闘志がわくというものだ。
 
 それでも、国民の要求をぶつけたら、一歩でも二歩でも前にすすめたい。質問を通じて、自治体庁舎の耐震建て替えに、国が支援することとなった。産みの苦しみ、その苦しみから成果が生まれたときはうれしい。
 
 さて、次の質問準備にとりかからねば。その前にひと風呂浴びよう。不思議なことに湯船につかると、ひらめくことがある。同僚議員に聞いた。「焼酎を飲んだら能率が上がる」、「原稿書きは早朝に限る」、「新幹線の移動時間が勝負」等々。質問づくりは、人それぞれである。(しんぶん赤旗 2017年4月12日)