195-衆-環境委員会-2号 石炭火発は世界の流れに逆行 温暖化対策で批判/九州北部豪雨災害 公費解体対象、半壊も 田村氏求める 環境委員会

○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
環境委員会で初めて質問をします。どうぞよろしくお願いいたします。
まず最初に、地球温暖化対策と石炭火力発電の問題について伺います。
国連の世界気象機関、WMOは、ことしの世界の平均温度が史上三番目に高くなる見通しであることを発表しています。日本においても、この夏は各地で異常気象が続きました。北部九州を襲った集中豪雨、そして台風、長雨。気候変動による災害を食いとめるためにも、地球温暖化対策というのはもう待ったなしの課題であります。
しかし、現時点で、各国が提出した国別削減目標は、全部足し合わせたとしても将来の排出量を減らすことができずに、パリ協定の目標の水準に届いてはおりません。来年開かれるCOP24では、CO2削減目標の上積みも不可避の課題となってまいります。日本は、二〇三〇年に二〇一三年比で二六%削減としていますけれども、一九九〇年に比べれば一八%削減の目標にすぎないわけであります。
大臣にお伺いします。
中川大臣は所信表明で、世界の気候変動対策において中心的役割を果たすというふうに述べておられます。ならば、現状の削減目標を抜本的に引き上げた野心的な目標を堅持すべきではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。


○中川国務大臣 パリ協定は、二度目標の達成のため、今世紀後半に温室効果ガスの実質排出ゼロを目指しておりまして、我が国としても、大胆な低炭素化による大幅な排出削減に取り組んでいく必要があると認識しております。
現在のところは、まずは、二〇三〇年度に二〇一三年度比二六%の排出削減を達成する、そのために、地球温暖化対策計画に基づく取り組みを着実に実施することに加えまして、対策、施策の進捗状況について毎年厳格に点検を行うとともに、少なくとも三年ごとに目標及び施策について検討を行い、必要に応じて計画を見直すということを踏まえまして、政府全体で検討を進めていかなければならないと思っております。
そして、二〇五〇年までに八〇%の排出削減、そのための取り組みとして長期戦略を策定していきたいと考えておりまして、現在、環境省、経済産業省で、それぞれ別々の関係審議会で検討を進めているところですが、それを来年度の早い段階で、政府全体としての検討になるように開始をしていきたい。
そして、さらなる野心的な目標というのは、まさにその次のステップということで、まずは、この既に約束している削減が確実なものになるようにしていきたいというふうに考えております。


○田村(貴)委員 やはり、世界を牽引する重点、そして中心的な役割を日本が持たないといけないと思います。
なぜならば、アメリカは、パリ協定離脱を表明しております。地球温暖化対策にとっては、これは重大な懸念材料であります。
大臣は、十一月十七日の記者会見でアメリカ側の反応について触れて、日米両国は気候変動対策を実施していくことも重要であるということも確認いたしましたとされました。しかし、トランプ大統領は、協定離脱の構えを崩していません。また、政府の米国のパリ協定脱退方針の表明後の我が国のスタンスでは、米国と協力していく方法を探求するとしてあります。
離脱表明をしている国との協力というのは、どういうことを指しているんでしょうか。ちょっと教えていただけませんか。


○森下政府参考人 米国はことしの六月にパリ協定の脱退を表明しておりますけれども、この国は、これまで、イノベーションを通じた先進的な環境関連技術の導入などの取り組みを行ってきておりまして、我が国とは、気候変動対策と経済成長とは両立するんだという認識を共有いたしております。
お話のありましたように、COP23におきましては、中川大臣が米国のガーバー国務次官補代理らとの対談を行っております。先方からは、米国にとって望ましい条件が整わない限り、パリ協定には関与しないという従来どおりの方針が示されましたけれども、日米両国は、気候変動対策を実施していくことが重要であるということも確認をしております。
今後とも、米国との協力の方法について探求すべく、さまざまな機会を捉えまして対話を行っていく必要があるというふうに考えてございます。


○田村(貴)委員 それではだめですね。アメリカと同じエネルギー政策を共有していると、それはやはり納得されないと思いますよ。日本は後ろ向きだと言われても仕方がないと思います。
COP23では、脱石炭火力の方向性も明確になってまいりました。
会議の終盤、イギリスとカナダが呼びかけて、石炭発電の全廃を目指す脱石炭発電連合が発足しましたけれども、日本は名を連ねていません。さらに、我が国では、石炭火力発電所の建設計画が乱立し、きょうも論議されていますけれども、脱石炭の世界の流れに逆行しています。
中川大臣は、十一月二日、記者会見で、石炭火力発電について次のように述べておられます。計画が全て実行されれば、当然、我が国の削減目標達成は困難になるわけでありまして、この石炭火力の新増設を進めるということは、私は基本的には許されないことだと。
お伺いします。
石炭火力発電の新増設というのは、温暖化対策には逆行するものである、そして、認められないもの、そういうふうに受けとめておりますけれども、間違いないでしょうか。


○中川国務大臣 今御指摘いただきました石炭火力に関する基本的な考え方は、変わりはございません。


○田村(貴)委員 そうしたら、去年の二月九日の経済産業大臣との合意、ここから変わっているわけなんですよね。
消費電力量当たりのCO2排出量の〇・三七キログラム、この目標の達成に向けて、二人の大臣の合意は、電力業界の自発的枠組みを促すこと、そして、政策的対応で石炭火力の新設を容認するという立場に今なっているわけなんです。石炭火力発電を認めないとする一方で、ベストミックスなら認めるというのは、これは中川大臣、矛盾しているのではありませんか。


○中川国務大臣 昨年二月の両大臣の合意では、電力業界の自主的枠組みに加え、省エネ法等の基準の設定、運用の強化等を行うこととしております。
この両省の合意が実現されることを前提に、それ以降のアセス大臣意見では、二〇三〇年度に向けてベンチマークの指標目標を確実に遵守するように求めております。
しかし、パリ協定の発効ということがございました。石炭火力抑制に向けた世界の潮流などを考えますと、石炭火力発電を取り巻く状況は一層厳しさを増しているというふうに思います。
このため、ことし三月の蘇我火力以降の大臣意見では、事業者において長期大幅削減の必要性を十分認識いただき、事業の実施について再検討を含むあらゆる選択肢を検討するよう求めております。
さらに、八月の武豊火力の大臣意見では、事業者が所有する低効率火力発電所の休廃止や稼働抑制など、二〇三〇年以降に向けて、さらなるCO2排出削減を実現する見通しを持って、計画的に事業を実施することを求めております。
電気事業者におかれましては、石炭火力を取り巻く厳しい状況をいま一度よく勘案していただく必要があると考えております。


○田村(貴)委員 削減を求めるということと、これはやはり認められないという言い方は、全然違うというふうに思います。
今、我が国における石炭火力発電からのCO2排出量、この実績値、二〇一五年度は、二〇三〇年度に達成が必要と考えられる推計値を既に超過しています。そして、今計画されている石炭火力発電所が全て実行されて稼働すると仮定しますと、CO2排出量は、二〇三〇年度目標と整合する排出量を七千万トン程度超過してしまうということであります。石炭火力発電所の新規増設、電力業界の自主的取り組みで〇・三七の目標値が達成できるというふうには、これはなかなか考えられないと言わざるを得ません。
二〇三〇年度の削減目標の達成に向けた道筋をやはり早急に明確にする、そして、これを国全体で共有し、各主体が進捗を管理していかなければ、制約なく石炭火力発電所の増設が進んで、そして、二〇三〇年度の削減目標の達成が危うくなっていくばかりであります。危うくなっていくばかりだというのであれば、やはり石炭火力をとめる手だてを打たなければいけません。
とめる手だてを打たなければいけないと思いますけれども、大臣、いかがですか。


○中川国務大臣 昨年二月の両大臣合意というのは、毎年度、対策の進捗状況をレビューし、目標の達成ができないと判断される場合には、施策の見直し等を検討するということにしております。
そういう中で、目標が達成できないということになれば、環境省としても、これは必ず目標の達成が必要でございますから、いろいろな方策を提言していくということになるというふうに思います。


○田村(貴)委員 今現在、三十五カ所、四十基も石炭火力発電所の新増設計画があるわけでありますけれども、環境アセス法の対象となっているのは幾つでしょうか。


○中井政府参考人 お答え申し上げます。
現在、環境省の方で把握してございます石炭火力発電所の建設計画は三十四件、発電所の建屋としては四十基ございまして、そのうち、環境影響評価法、アセス法の対象となるものは、十九件、二十五基でございます。


○田村(貴)委員 およそ半分近いところの数字がやはりアセスの対象外になっている。これは、多くのNGOや地球温暖化対策に取り組む人たちからは、アセス逃れというふうにも言われているわけであります。十九基が十一・二五万キロワット未満の石炭火力であります。
私の地元北九州でも、石炭火力が進められています。若松区の響灘に、全国で十九基のうち、二基の小規模石炭火力が計画されています。条例アセスによって市長の意見はつくんですけれども、事業は進んでいるわけです。
どんなに高効率の石炭火力であっても、天然ガスの二倍のCO2を排出するんです。世界の流れは脱石炭火力であります。CO2全排出量の四割を排出するこの電気業界の自主的取り組みでは、実効性は担保されないと考えます。石炭火力の輸出を改めて、そして、海外とのクレジット取引ではなくて、日本の国内での排出削減に取り組んでいただきたい、このことは強く要求したいと思います。
そして、原子力とともに石炭を重要なベースロード電源に位置づけているエネルギー基本計画の撤回、見直し、これはもう課題であります。そして、エネルギー政策の根本的な転換を求めたいというふうに思います。
時間の関係上、次の質問に移ります。
九州北部豪雨被害における家屋の公費解体撤去について質問をします。
七月五日、九州北部を襲った豪雨によって、福岡県や大分県を中心に甚大な被害がもたらされました。環境省は、災害廃棄物の対策に当たっているわけでありますけれども、ここでは住宅の公費解体について伺います。
とりわけ被災がひどかった福岡県朝倉市、東峰村、大分県日田市における公費解体の進捗状況について御説明いただけるでしょうか。


○山本政府参考人 お答えいたします。
御質問のありました状況でございますが、十一月二十九日時点の状況でございますが、公費解体の申請件数は、朝倉市が百三十二棟、東峰村が二十三棟、日田市が十棟です。
そのうち、解体撤去が完了した家屋につきましては、朝倉市はまだございません。東峰村につきましては、二十三棟中二十二棟、それから日田市については十棟全部が撤去完了しております。
以上でございます。


○田村(貴)委員 公費解体撤去がやはり進んでいない。進んでいないわけがやはりあるわけなんですね。被災家屋について、まだ判断がつきかねない、そして、やっていいものか悪いものかわからないという状況の地域もたくさんあるわけなんです。
朝倉市は、先週末の数値なんですけれども、全壊が二百四十一、大規模半壊は百三十一、半壊は六百五十七。先ほど御説明があって、公費解体の申請が百三十二棟あると言われました。相談を含めたら二百十一件あるそうなんですね。そういう状況の中でまだ未着手になっているという状況です。
お聞きいただきたいのは、こうした被災家屋が朝倉で千棟近くある中で、たとえ半壊であっても住むことができない家というのはたくさんあるわけなんですよね。例えば、泥水が入ってにおいが抜けない、それから流木が壁に突き刺さってしまった、そうしたところから半壊撤去を求める声というのは非常に多いわけでありまして、朝倉の相談の中に、半壊世帯からの公費解体撤去の相談も寄せられている。日田市に伺っても、相談の中で半壊世帯からの相談もあるということはぜひ承知をしていただきたい、今の時点で思います。
今後、復興計画が定まって再建が始まるわけなんですけれども、集団移転という話が朝倉のたくさんの集落で今議論されています。道路もそれから河川も、見る影もなく洪水にやられてしまった。ですから、面的整備、地域を面的に整備していく、その中で、別の地点で住宅を建てていく、いわゆる集団移転とかいう論議もあっているわけなんです。
内閣府防災、お越しいただいていると思うんですけれども、お伺いします。
実際には住むことができない、そういう半壊家屋世帯というのは相当数に上るものと思いますけれども、いかがでしょうか。


○伊丹政府参考人 お答えいたします。
平成二十九年七月の九州北部豪雨におきましては、福岡県、大分県などで記録的な大雨となりまして、河川氾濫や土砂崩れにより、家屋等の損壊が発生したところでございます。
例えば、先生御指摘の福岡県朝倉市、東峰村及び大分県日田市では、被害認定調査の結果、十一月中旬の時点で千百二十六件が大規模半壊または半壊と認定されたと伺っております。
過去の水害での状況を見ますと、半壊であっても、浸水等の被害により、流入した土砂の除去や耐えがたい悪臭のため、やむを得ず住宅を解体する場合が一定数生じているところでございます。


○田村(貴)委員 ですから、半壊認定を受けても実際には住めない家屋というのは存在し、事、九州北部水害で一番被害の大きかった朝倉では、今後ふえていくというふうに見られるわけであります。
そこで、ぜひお聞きいただきたいことがあるんですけれども、甘木・朝倉広域市町村事務組合というのがあります。これは被災を受けた朝倉市も、それから東峰村が入っている事務組合なんですけれども、ここが福岡県に要望を出しています。
中川大臣、ぜひお聞きいただきたいと思うんですけれども、住家の解体費については全壊のみ補助対象事業であるが、大量の土砂、流木等が流れ込み住家に損壊を与えている。その除去は長期間を要するため、住民からは、修理等で再建するのではなく、解体を望む声が多い。大規模半壊及び半壊の解体費を補助対象とし、住民負担、被災自治体の負担の軽減を行うことを国に働きかけるとともに、県においても支援を行ってほしい、こういう要望であります。これが被災地からのストレートな要望であります。
国は全壊までしか公費解体の対象としていません。朝倉市は、大規模半壊の費用を市の全額負担、一億円を拠出することを決めました。東峰村は、財政調整基金三千三百万円を取り崩して、半壊家屋を含めて解体撤去費用を村から支出しています。これはもう、村の基金とか財政資力が物すごく弱まる中で、ぎりぎりの判断ですよ。そして、被災者、住民を思う措置であります。やむにやまれぬ措置をとっているわけなんです。
実際には住むことができない被災家屋の処理というのが大きな問題に今なってきているわけです。自治体の頑張りに応えて、そしてこの切なる要望に応えて、ここは、もう住むことができない、半壊もふえるということであるならば、この半壊も、自治体は大規模半壊までは認めた、それ以上はできないと言っているんだから、ここはやはり国が、半壊もやはり公費解体撤去の対象範囲に認めて、するべきではないか。熊本地震ではやったじゃないですか。同じことを今被災地の住民は求めている、自治体は求めている。
これに応えるべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。


○中川国務大臣 家屋の解体撤去につきましては、生活環境保全上の観点から、廃棄物と同等とみなすことができる全壊家屋のみを対象としており、全壊の判定は市町村が発行する罹災証明に基づいております。市町村が、災害に係る住家の被害認定基準運用指針において、罹災証明の発行基準は、地域の実情に応じて、各地方公共団体の判断により設定できることとされていると聞いております。
環境省としては、現在の補助制度を最大限効果的かつ柔軟に活用することにより、円滑、迅速な処理に向け必要となる支援を実施してまいりたいと考えております。


○田村(貴)委員 大臣、違うんですよね。それは制度論なんですよ。私は実態論を言っているわけなんですね。
資料配付させていただきます。これは、福岡県朝倉の被災地の集落を、私、先月訪ねて撮ってきた写真なんですけれども、まだ公費解体撤去が行われていませんから、損壊世帯、家屋というのは建ったままなんですね。流されていない家屋というのはこういう状況なんです。
全壊家屋もあれば半壊家屋もある。その中でボランティアの人たちが泥出しをやってくれた、そして家財道具も出してくれた。しかし、もうふすまも畳もそれから壁もない、そうした住宅もいっぱいあるわけなんですね。こうしたところに同じ洪水が来て住むことができるのかと、集団移転の論議をしている集落もいっぱいあるわけなんです。それがもしまとまったら、半壊家屋といえども全壊家屋といえども、ここにはもう住むことができないわけなんですよ。そうしたものの扱いをどうするのかということが今問われているわけなんですよね。そして、私はもうここで住むことを諦めたと、そうしたら、この住宅に対して、資力のない方、解体にはお金がかかりますから、そのお金がない方はどうするのか。それを放置していたらまさに復興が前に進まないという問題があるから、ここはやはり政治的決断が必要だと。熊本地震ではそうしたじゃないですか。それを今、被災地は求めているので、再考を今促したいというふうに私は意見を述べ、そして質問をさせていただいているわけなんです。
朝倉市の半壊住宅は六百六十一棟なんです。そのほかに、非住家の被害が、全壊が百六十一棟、半壊は五百七十四棟、非住家もまだこれだけあるわけなんですよね。これがそのまま残っていくとなったら、まさに復興は進みませんよ。
国の廃棄物処理、この施策の枠組みの中でやっていくんだったら、やはり被災地の現状は変わらないというふうに思うわけであります。皆さん、ぜひ、この被災地の現状を酌み取っていただいて、そして知恵を出していただきたいと思うんです。
中川大臣、九州北部豪雨水害、被災自治体の視察は行かれたんでしょうか、まだ行かれていませんか。ちょっと教えてください。


○中川国務大臣 被災地自体には行っておりませんが、福岡県の副知事などから実情を、また知事からも実情はよく伺っております。


○田村(貴)委員 廃棄物処理は、担当副大臣は伊藤副大臣の方になるんですか。(伊藤副大臣「はい」と呼ぶ)伊藤副大臣は、九州北部の方は御視察されたことはありますか。


○伊藤副大臣 まだ現場には伺っておりません。


○田村(貴)委員 ぜひ現地を見ていただきたいと思います。
一番最初に答弁がありましたように、朝倉市はまだ公費解体撤去は始まっていないんですよ。申請を始めたんだけれども、まだ申請の数だけ見ても非常に少ない。まだどうしていいかわからないということですね。
今私がずっと述べたことは、まさに今、現状と課題であります。ここに市と村は最大限の努力をして、お金を出して今頑張っている。あとは、私は、国が県と相談して何らかの解決策を出さないと、被災地の復興は進んでいかないというふうに思うわけです。
九月の五日の災害対策特別委員会、とかしき副大臣においでいただいて、私、質問をさせていただきました。あのとき、とかしき副大臣からは、全壊であれ半壊であれ、とにかくもとの生活に戻れるように、スピード感を持って対応していきたい、そういう御答弁がありました。そして、関係省庁と自治体とがしっかり連携をとりながら、どういう場合に対応するのか、ここはちょっと知恵を出していきながら対応していきたいというふうにお答えをいただきました。
この認識を、恐らく、大臣も伊藤副大臣も、そして政務官も共有していただけると思うんですけれども、やはり知恵を出さないといけないと思います。制度論だけで突っぱねていくだけでは解決しません。
なぜならば、半壊の家というのは半壊のままなんですよ。これを全壊とみなすことは絶対できないんですよ、計算式があるわけですから。しかし、住むことができないんだったら、全壊して解体しましょう、被災者再建支援法は適用する、そして国の支援は受けられるんですよ。住むことができない、解体すると決まったら、支援法の世界では救済されるんですよ。
しかし、その住宅家屋を撤去、解体することについては、誰も手を差し伸べることができない。ここの問題に行き当たっているわけです。そうしたことが、大きなところだったらやる、小さなところだと、これは小さくないですよ、物すごい量ですから。ここはしっかり応えていただきたいと思います。
最後に、中川大臣、これは、国がやはりこの問題に正面から応えていく以外に私はないというふうに思います。被災建物の撤去、解体が進まない限りは、九州北部水害の復興とそして復旧事業はあり得ません。福岡県と大分県とぜひ相談してください。
そして、大臣、政務官、副大臣、お忙しいと思うんですけれども、私、七月五日以降、大分回りました。それでも私も行き着けていないまだ山奥の集落がある。そして、政治家が来たことがない、この間行った地域なんかは、初めて政治家が来たといった地域もあるわけなんですよ。
まだまだ目が届いていない地域がいっぱいありますので、まずは行っていただきたい。そして、現地からの情報を収集していただきたい。要望を正面から受け取っていただきたい。そして、福岡県と大分県とこの問題について合い議をして、知恵を出していただきたい。
政権全体として、私は、この公費解体、撤去の改善を求めたいと思いますけれども、大臣、いかがですか。


○中川国務大臣 まず、罹災証明の発行基準というのは、先ほども申しましたが、地域の実情に応じて、各地方公共団体の判断により設定できるわけでございますので、そのことにつきましては、既に福岡県等とお話はしたところでございます。
環境省としては、こうした現在の補助制度を最大限効果的かつ柔軟に活用することによって、円滑、迅速な処理に向けて支援を実施してまいりたいと思っております。


○田村(貴)委員 被災地の方は、この災害の中で年越しをし、新年を迎えていくわけです。本当に、将来に向けて、もう不安でしようがない。そして、そこに光を当てるのは、やはり政治と行政の仕事であると思います。対応策の抜本的な強化を求めて、きょうの質問を終わります。
ありがとうございました。