【予算委員会】馬毛島への地元頭ごしの米軍訓練移転は許されない 土地買収に160億円の予算流用、地元に隠して設計委託、違法開発の追認の異常を追及

○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。

鹿児島県の種子島に隣接する馬毛島の買収問題について質問します。
政府は、米軍空母艦載機の地上離着陸訓練、FCLPの候補地として、西之表市の馬毛島を買収するとして地権者と契約を進めています。
私は、昨年の予算委員会分科会で、地元の意向に反し、違法開発のいわくつきの土地を米軍の訓練施設をつくるために買収するなど許されないと指摘しました。その後の臨時国会で質問主意書も提出し、数々の問題点をただしてまいりました。
にもかかわらず、昨年十二月二日の記者会見で菅官房長官は、地権者のタストン・エアポート社との間で馬毛島を約百六十億円で買収することで合意したと発表しました。
官房長官にお伺いします。何のために島を買うんですか。この島で何をしようとするんですか。政府が合意したという土地買収契約の内容を明らかにしてください。


○河野国務大臣 馬毛島の取得につきましては、我が国の南西地域を守るための拠点として自衛隊施設を整備する、その施設を米軍の空母艦載機の着陸訓練を行う施設として活用すること、この二つの大きな意義がございます。
これまで、与那国、宮古島及び奄美大島に警備部隊等の配備を行ってきましたが、島嶼部において陸海空自衛隊の統合訓練を行い得る拠点、整備、補給等の後方支援を行い得る拠点は限定的でございます。このような観点から、馬毛島に自衛隊の訓練拠点、緊急時の活動拠点を整備することは、我が国の防衛上、極めて重要な課題です。
また、米軍の空母艦載機の着陸訓練の施設の確保は、日米同盟を維持強化する上で不可欠な取組になっています。
現在、米空母は年間を通じてアジア太平洋地域で恒常的に活動を行っています。この米空母のプレゼンスは、不透明さを増すこの地域を安定させる上で極めて重要な抑止力、対処力となっていますが、訓練施設がなければ、米空母は訓練実施のために本国に戻らなければなりません。
現在、訓練を実施している硫黄島は、艦載機の基地の岩国から約千四百キロと遠く、近くに飛行場もないため、トラブルがあった場合の安全性に大きな懸念がございます。また、硫黄島の天候不良時には人口密集地である厚木飛行場でFCLPが行われた例もあり、平成二十四年の実施時には約四千八百件の苦情が寄せられるなど、地域の方々の大きな負担にもなっています。
このように、米軍の空母艦載機着陸訓練の施設の確保は安全保障上の重要課題であり、この訓練の移転により、関係する地域の方々の負担軽減や米軍人の安全確保のためにも、馬毛島取得は大きな意義があるものと考えております。


○田村(貴)委員 馬毛島にFCLP基地をつくっても、厚木の訓練がなくなるとは言えないんですよね。厚木においても、岩国においても、耐えがたい騒音被害を与えてきているわけですよ。馬毛島から十二キロ離れた種子島においてもこれは同じことであって、更に訓練の場をふやすようなことは絶対あってはならないと思うわけであります。
百六十億円の買収費用について伺います。
既に買収がされています。おかしなことに、今年度、二〇一九年度の予算には計上されていません。先日可決した補正予算にもありませんでした。今審議している二〇二〇年度予算にも、この予算は計上されていません。
これはどういうことですか。説明してください。


○河野国務大臣 馬毛島の土地の購入等に係る経費につきましては、令和元年度予算に計上していないことから、財政法に基づく予算の流用により必要な財源を手当てしたところでございます。


○田村(貴)委員 流用したんですね。
詳しい説明は、私が資料を配っています。資料の1です。馬毛島買収、百六十億円の原資となっている事業に関する防衛省説明資料、ここに何と書いてあるか。米軍普天間飛行場の辺野古移設経費を回してつくるというふうに書いています。つくるのは自衛隊基地でしょう。辺野古の移設費用でつくるというのは、まさに驚きであります。
こういう日本の自衛隊基地をつくるのに、なぜ米軍普天間基地の移設費用を使うんですか。この流用はおかしいんじゃないですか。流用を担当したのは財務大臣です。麻生大臣、いかがですか。


○河野国務大臣 恒久的なFCLP施設の確保は安全保障上の重要課題であり、訓練の移転により地元の負担を軽減するためにも喫緊に解決すべき課題として日米間で特定され、これまで馬毛島の取得に取り組んできているという経緯があることから、米軍再編関係経費において財源を確保したものでございます。


○麻生国務大臣 今般の馬毛島の土地の取得の話ですけれども、防衛省と土地所有者との間で話がついたということで伺っておりますので、一定の合意が得られたということによって生じました追加的な財政需要については、これは防衛大臣から話がありましたように、財政法に基づいて、国会で議決をいただいた項、項ってわかりますよね、項の範囲内で他の目から流用することにより対応するものであり、適正なものだと思っております。


○田村(貴)委員 目間の流用なんですね。その目間の流用の中身がおかしいと言っているわけですよ。
防衛省は地元の西之表市などに説明に回っていますけれども、それがこの説明資料です。
御説明資料、防衛省、馬毛島における自衛隊施設の整備についてと書いているじゃないですか。ページをあけると、馬毛島における自衛隊施設の整備について、次のページは、馬毛島に自衛隊施設を整備する必要性、こう書いているんですよ。
自衛隊の施設をつくることが目的となっているのに、なぜ米軍普天間基地の移設事業費を目間流用でやるのか。これはおかしいじゃないですか。
既に買収が進んで、防衛省の国有財産台帳には明記されています。何と明記されているか。自衛隊馬毛島基地、仮称。自衛隊基地じゃないですか。費目が全く違うんですよ。こういう流用は認められません。
百六十億円もの巨額な税金投入に当たって、予算計上もしない、国会にも諮らない、そして強引な流用で賄うことは、これはでたらめな財政支出と言わなければなりません。
防衛省に伺いますけれども、新しい基地をつくるために、土地取得費用を、土地買収費用を予算の流用で賄った例はありますか。


○河野国務大臣 平成二十一年度から平成三十年度において、新たな自衛隊の駐屯地、基地の整備のために移用、流用を行った例はございません。
平成二十八年度に、山口県の岩国市において、目黒に所在する防衛装備庁の艦艇装備研究所の海洋環境試験評価のためのサテライト施設の用地として、約三ヘクタールの不動産購入費として四億四千二百万円を流用した例がございます。


○田村(貴)委員 新しい基地をつくるために土地取得費用、買収費用を流用した例はないということなんですよ。前代未聞のやり方をやっているんですよ。
桜を見る会の問題は、予算の三倍を支出していたという財政民主主義の問題が問われているんですよ。今度の場合は、予算そのものが計上されていないんですよ。憲法八十三条には何と書いてあるか。「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」こう定められているではありませんか。この流用は、財政民主主義の原則に違反するやり方と言わなければなりません。
調べてみたら、流用は、その前年、二〇一八年度にも行われています。馬毛島基地のために、これも普天間飛行場移設事業費を流用しています。その流用額は幾らですか。そして、この事業、どんな事業に使ったんですか。


○河野国務大臣 通告ございませんので、今、手持ちに資料がございません。


○田村(貴)委員 通告していますよ。わからないんですか。レクでも言っているでしょう、通告、レクで。ちゃんと言ってくださいよ。わかるでしょう、資料あるんだから。


○棚橋委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕


○棚橋委員長 では、速記を起こしてください。
防衛省地方協力局長中村吉利君。


○中村政府参考人 お答え申し上げます。
流用に関しましては、気象調査等各種の調査などを行うために約三十四億六千七百万円を流用しているところでございます。


○田村(貴)委員 今、三十五億と言われたんですかね。三十四億と言われたんですか。
では、その三十四億六千六百九十七万円ですか、それを何に使ったんですか。


○中村政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど申し上げました三十四億六千七百万円のうち、主なものは設計、あとは各種の調査ということでございます。


○田村(貴)委員 ちゃんと答えてくださいよ。設計に幾ら使ったんですか。調査に幾ら使ったんですか。そこを読んだらいいんですよ。ちゃんと答えてください。(発言する者あり)


○棚橋委員長 防衛省地方協力局長中村吉利君。
なお、御静粛にお願いいたします。


○中村政府参考人 お答え申し上げます。
設計といたしまして三十一億三千四百万円、気象の調査といたしまして八千二百万円、土質の調査といたしまして三億一千九百万円ということになってございます。


○田村(貴)委員 その設計費用が三十一億円。ほかの費用も足して三十五億円になったと私は伺っています。この設計だけに三十五億円かける、その額も驚きなんですけれども、売買契約も交わされていないこの時期に、設計費用が流用で組まれて、そして委託されていた。そして、この基本設計については、地元の説明では何にも説明されていないんですよ。地元自治体はびっくりしていました。
これがまかり通るならば、政府予算というのは、国会の審議も議決も経ずに、流用で何でもできることになるじゃないですか。こうした財政支出は断じて認められません。
政府は、昨年十二月十九日の時点で、馬毛島の六三%の土地を既に地権者から取得したと発表しています。百六十億円の土地買収はどういう進行状況なんですか。これまでに取得した土地の所在、面積、価格について明らかにしてください。


○河野国務大臣 昨年十二月二十日時点で、馬毛島全体の六三%の土地を取得しております。
日々、さまざまな進捗がございますが、その後の逐一については、今後の円滑な取得に影響を与える可能性があるため、お答えを差し控えます。


○田村(貴)委員 おかしいでしょう。取得したんだったら、移転登記して、法務局に行ったら誰でも見ることができるんですよ。既に取得した土地がどこなのか、幾らで買ったのかも答えられない。ここに馬毛島取得に当たっての数々の疑惑が隠されているんです。
地権者のタストン社は、これまで仮差押えを受けたり、破産を申し立てられたりしています。昨年三月、参議院予算委員会で、当時の岩屋防衛大臣はこのように答弁しています。土地を取得する際には、所有者との契約において、その土地の上に所有権以外の権利が設定されているときは、あらかじめこれを消滅させた上で取得することとしている、このように述べたわけであります。
防衛大臣に伺いますよ。そもそも抵当権だらけのこの馬毛島の土地をどうやって取得できるんですか。従来の政府答弁に照らして、これはおかしいじゃないですか。


○河野国務大臣 馬毛島の土地の取得に向けた手続につきましては、今なお継続しており、その手続に影響を及ぼす可能性があるため、具体的な合意内容や手続については、お答えを差し控えます。


○田村(貴)委員 怪しいですね。
つまり、こういうことじゃないんですか。抵当権のついていないところをまず防衛省が先行取得する、タストン社はその金で債権者に債務を返済して抵当権を抹消する、その土地をまた防衛省が買ってやる、またタストン社はそうやって抹消していく、そうやって全部買っていくという手法じゃないんですか。
国費をもって借金の肩がわりをして抵当権を外してやっている、こんなことしていいんですか。そこまでして米空母艦載機の訓練施設を提供するというんですか。異常じゃないですか。
取得費用は、なぜ百六十億円なんですか。二〇一七年三月に示された不動産鑑定評価では四十五億円とされていますよ。多くの報道で、もうこれは全国的に発信されています。地元の人もみんな四十五億円だと理解していますよ。余りにも百六十億円と乖離があるじゃないですか。
私は、不動産鑑定評価額の四十五億円でもこれは高いと考えています。例えば、農水省が馬毛島に所有していた土地を払い下げたときの価格は平米当たり九十六円です。馬毛島の面積で換算したら七億八千万円程度なんですよ。
大臣、この際、百六十億円の積算根拠を示してもらえぬですか。あわせて、不動産鑑定評価額を示してください。そうじゃないと予算の執行の審議ができないんですよ。


○河野国務大臣 馬毛島の取得につきましては、馬毛島の土地の大半を所有する者との間で昨年に一定の合意に達し、その後、取得に向けた手続が継続しております。売買額の根拠や不動産鑑定評価額について現時点で明らかにすることは、今後の円滑な取得に影響を与える可能性があるため、現時点ではお答えを差し控えます。手続の進捗状況、所有権の移転状況を踏まえて、適切な段階で御説明をしたいと考えております。


○田村(貴)委員 こんな異常な国有財産の取得、公有財産の取得、聞いたことがありませんよ。不動産鑑定評価額も示さない、そして積算根拠も示さない。
タストン社の社長は、かつて、雑誌のインタビューでこういうふうに述べていました。これまでにかけた費用は百五十億円を超えます、これまで島に投資してきた金額に見合った条件を提示してほしいと言っているんですよ。
タストン社の言い値で買っているんじゃないんですか。百六十億円の取得額というのは、造成費用を上乗せしているんじゃないですか。大臣、いかがなんですか。


○河野国務大臣 取得に向けた手続が現在も継続しておりますので、百六十億円の根拠その他について現時点で明らかにすることは、今後の円滑な取得に影響を与える可能性があるため、現時点ではお答えを差し控えますが、手続の進捗状況、所有権の移転状況を踏まえて、適切な段階で御説明したいと考えております。


○田村(貴)委員 今説明してくれないですか。審議できないじゃないですか。
造成費用が上乗せされているとしか考えられないんですよ。その造成費用は、違法に開発されてきたという大問題があるわけです。
森林法では、林地開発許可制度があり、民有地においては、一ヘクタールを超えて土地の形質を変更する行為、例えば、伐採し、木を根っこごと抜く抜根などは、市町村への伐採届ではなくて都道府県知事の許可が必要なんです。
資料にもお配りしています。まず、左の図なんですけれども、馬毛島における伐採届状況です。そして、航空写真とを見比べたものなんですけれども、左の図のグレーの色のところが鹿児島県知事が林地開発を許可した場所なんですね。ほかの色のところ、黄色とか青とか赤、こうしたところは伐採届のみなんです。ここでは抜根してはいけないんです。林地として残っていなければいけないんです。しかし、右側の写真を見れば、巨大な十字架状の地面があらわになっているのが一目瞭然で読み取れます。林地がありません。無許可の開発は明らかなんですよ。事実、タストン・エアポート社は、鹿児島県の聴聞会で、法が禁じている抜根を認めています。
江藤農林水産大臣にお越しいただいています。
鹿児島県は、許可を超える開発がされているおそれがあるとして、立入調査を地権者に申し入れています。それは知っていますか。農林水産省は馬毛島における森林法違反の開発行為について確認を行っていますか。端的に教えてください。


○江藤国務大臣 森林法第十条の二の規定については、先生がおっしゃったところでありますから、もう省きます。
鹿児島県からは、馬毛島の民有林について、平成十二年から平成二十二年にかけて知事名で林地開発許可を行い、その後、森林法に違反した疑いがあったため鹿児島県が平成二十四年に調査をしたということでありますが、そのような行為を行った事実は確認されていないと鹿児島県の方から聞いております。
そして、承知しているのかということについてでありますが、立入調査の実施につきましては、鹿児島県と防衛省の事務レベルで協議、検討が行われているというふうに承知をいたしております。


○田村(貴)委員 鹿児島県は、もう議会の答弁で、違法開発のおそれがあると言っているんですよ。
それから、国の公害等調整委員会も、許可申請及び許可の範囲を超える開発、伐採をしていたものと推認されると。国の機関が、違法開発が推認されるともう断定しているんですよ。だから、ちゃんと答えてください。
江藤大臣、もう一つ聞きます。森林法に違反する開発があった場合、森林法ではどのような定めになっていますか。これは罰則について教えてください。法の説明です。


○江藤国務大臣 森林法第十条の三の規定では、都道府県知事は、森林法に違反をして民有林の開発を行った者に対しましては、中止命令又は復旧命令を課すことができることとなってございます。
また、森林法の第二百六条の規定では、森林法に違反して民有林の開発を行った者や中止命令又は復旧命令に違反した者に対しましては、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処すこととなっております。


○田村(貴)委員 無許可の開発、復旧命令違反には懲役それから罰金も科せられる。犯罪なんですよ。
防衛大臣、そういう土地を、今、国有財産として防衛省は取得しようとしているんです。既に取得しているんですよ。違法開発の造成地はそのまま放置するつもりなんですか。答えてください。


○河野国務大臣 タストン・エアポート社による開発行為等に対する森林法違反の有無は、処分権者である鹿児島県又は西之表市が事実確認の上で認定するものであり、防衛省において把握している限りでは、これまで、森林法に違反していることを理由として何らかの処分が行われたとは承知しておりません。


○田村(貴)委員 森林法に違反していることを理由として何らかの処分が行われていることは承知していない。新たな御飯論法の変化形ですか。森林法に違反しているかもわからないけれども、何らかの処分が行われたとは承知していない。森林法に違反しているという認識はあるんでしょう。あるはずですよ。だって、ちゃんと許可の範囲が書かれているわけですよ、林地開発許可、ここの明記があっているわけですよ。
防衛省、知らなかったとは言わせませんよ。これは違法開発ですよ。この違法開発について、そのまま取得して何にもしないということなんですか。それは許されませんよ。そういうつもりなんですね。変わらないんですね。そのままやるんですね。自衛隊をつくって、そして自然破壊のままで、そしてFCLPの訓練基地として米軍に提供する、原状復帰しない、そういうことなんですね。違ったらお答えください。そういうことなんですね。わかりました。いいです。そういうことなんですよ。
ひどいじゃないですか。手法もひどいけれども、やはり政府として違法開発をずっと認める、違法開発した土地を取得するというのは、もうこれは絶対許されない話であります。
時間が押し迫ってきたんですけれども、官房長官、十二月二十日の記者会見で、米空母艦載機の着陸訓練施設の確保に当たっては地元の理解と協力が極めて大事というふうに記者会見でおっしゃいました。
資料三、資料四、あわせて説明します。西之表市は、自然を生かした活用を提案しています。西之表市では、青少年の自立心、協調心、自然・文化愛護心を養うことを目的に、小学校五、六年生を対象とした馬毛島体験活動を実施しています。
資料の四、西之表市の八板俊輔市長の思い、「~未来へ、選択の覚悟~」、これは市のホームページに掲載されています。ここで市長はどのようにおっしゃっているか。「FCLPは騒音被害や自然環境への悪影響の懸念から、米国本土でも、遠隔地訓練場の建設に反対運動が起きています。 私は、市長選でFCLP施設反対を唱えて当選しました。馬毛島にふさわしい利用法をFCLP以外に追求する考えは、一切変わっていません。」
官房長官、市長のこの態度は明確であり、この言葉は非常に重いものがあるんじゃないですか。
長官が、地元の理解と協力が極めて大事と言われるのであれば、この自衛隊基地とFCLPを強行することはできないじゃないですか。それとも、無視して強行するんですか。どうなんですか。


○菅国務大臣 いずれにしろ、引き続き、防衛省において丁寧な対応にしっかり努めていく、そういう中で、地元の皆さんの御理解を得るべく対応していきたい、こういうふうに思います。


○田村(貴)委員 官房長官、百六十億円の馬毛島買収をめぐって、新聞報道にこんなのがあります。菅義偉官房長官を中心とする首相官邸が全面譲歩を防衛省に指示、国の用地買収としては異例の譲歩、官邸幹部、を重ねたプロセスだった、こういうふうに取材をして報道されているわけであります。
地権者に対する全面譲歩を防衛省に指示したんですか。そのような指示をしたんですか。


○菅国務大臣 馬毛島の取得については政府全体で取り組むべき重要な課題であり、その進捗について節目節目には報告を受けておりました。
他方、具体的な取得の事務は、これを担当している防衛省の判断で行っております。


○棚橋委員長 田村貴昭君、恐縮ですが、申合せの……。


○田村(貴)委員 はい、わかりました。
しかし、官房長官、防衛大臣、現に政府が今やっていることは、離島の島民の願いよりも、アメリカの要求を優先させているにほかなりません。基地建設強行は、地元自治体、住民の夢と希望を押し潰すものであります。戦闘機が飛び交い、耐えがたい騒音被害、危険を仕向けることになるわけですよ。
国民の税金で違法に開発された土地を買い、地権者の借金を国費で肩がわりしてやる疑惑がある。しかも、その取得費は、予算措置もせずに、国会にも諮らず、流用で賄う。財政のルールを無視したやり方であります。
即刻交渉を打ち切り、売買契約を撤回すべきであります。そのことを強く求めて、質問を終わります。